七大疾病保険(七大生活習慣病保険)とは?メリットデメリットを解説
(最終更新日:2024年03月15日)
目次
七大疾病(七大生活習慣病)とは
七大疾病保険の内容に入る前に、七大疾病(七大生活習慣病)がどういう病気かを知っておきましょう。
生活習慣病とは、普段の生活習慣(偏った食生活や運動不足、ストレス、過剰な飲酒や喫煙など)の毎日の積み重ねが原因で病気が発症したり、進行する疾患の総称をいいます。
生活習慣病のなかでも日本人の死因の上位を占めている三大疾病「がん(悪性新生物)・急性心筋梗塞・脳血管疾患」に4つの病気(高血圧性疾患、糖尿病、肝疾患、腎疾患)を加えた七つの病気のことを七大疾病(七大生活習慣病)といいます。
七大疾病について詳しくはこちら
七大疾病保険(七大生活習慣病保険)とは?
では、七大疾病保険(七大生活習慣病保険)とはどんな保険なのでしょうか。
実は、七大疾病保険とは通称で
・がん保険+6大疾病特約
・医療保険+7大疾病特約
というような、医療保険やがん保険と特約の組み合わせとなっていることが多いです。
医療保険やがん保険の保障内容は下記の記事でご確認いただくとして、
七大疾病保険を特徴づける、6大疾病特約や7大疾病特約というのはどのような保障内容なのでしょうか?
七大疾病保険の特徴(6大疾病特約/7大疾病特約の内容)とは?
七大疾病保険の特徴は大きく下記の2つです。
(1)七大疾病の所定の状態で一時金を受け取れる
(2)一時金は1回ではなく、複数回受け取れる
詳しく見ていきましょう。
特徴(1)七大疾病の所定の状態で一時金を受け取れる
七大疾病保険は所定の状態のときに、一時金(例えば100万円など)を受け取ることができます。
では、どのような時に受け取れるのか、七大疾病の給付金の支払い事由の例を見ていきましょう。
※下記の支払い事由は一例です。保険商品によって異なる場合があります。
七大疾病の給付金の支払い事由の例1
がん | 「がん」もしくは「上皮内がん」と診断確定されたとき |
---|---|
心疾患 | 急性心筋梗塞もしくは拡張型心筋症の治療のための入院または手術をしたとき |
脳血管疾患 | 脳卒中(くも膜下出血/脳梗塞/脳出血)の治療のための入院または手術をしたとき 脳動脈瘤が生じ、それが破裂したと診断されたとき 脳動脈瘤が生じ、その治療のための手術(くも膜下出血を予防する手術)をしたとき |
高血圧性疾患 | 高血圧性疾患を発病し、大動脈瘤等が破裂したと診断されたとき 大動脈瘤等の治療のための手術をしたとき |
糖尿病 | 糖尿病を発病し、糖尿病性網膜症の治療のための手術をしたとき 糖尿病性壊疽(えそ)の治療のための切断術をしたとき |
肝疾患 | 肝硬変を発病し、食道・胃静脈瘤が破裂したと診断したとき 食道・胃静脈瘤の治療のための手術をしたとき 肝移植手術をしたとき |
腎疾患 | 慢性腎不全を発病し、永続的な人工透析療法を開始したとき 腎移植手術をしたとき |
三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)は診断確定もしくは入院・手術が要件ですので、発症すると比較的給付要件に該当しやすいと言えるでしょう。
一方、高血圧性疾患、糖尿病、肝疾患、腎疾患は発症した上で、特定の症状もしくは特定の治療・手術をすることが要件なので、給付要件に該当するのは罹患した中でも比較的重篤なケースとなります。
七大疾病の給付金の支払い事由の例2
所定の7大生活習慣病
【がん(上皮内がんを含む)、心・血管疾患、脳血管疾患、糖尿病、高血圧性疾患、肝疾患、腎疾患】
の治療を目的として1日以上入院(日帰り入院*1を含む)した場合
例2は例1に比べ給付要件が広いですが、その分保険料が高い傾向にあります。
いずれにしても、複数の大きな病気に対して一時金の保障を備えることができるのが七大疾病保険の特徴です。
特徴(2)七大疾病の一時金は1回ではなく、複数回受け取れる
七大疾病保険は所定の状態にあるとき、一時金を1回だけでなく、複数回受け取ることができるのが大きな特徴です。
商品によって異なりますが、一時金の受け取り回数は例えば
・1年に1回、回数無制限
・1年に1回、最大10回まで
というものがあります。
がんであれば再発のリスクが心配です。
他の生活習慣病は完治を目指すより「つきあっていく病気」という側面もあるでしょう。
また、「高血圧がひとつの要因で心疾患になる」というような関連した病気の発症も心配です。
このような生活習慣病に対して、1回ではなく複数回の一時金を受け取れるのが七大疾病保険の特徴です。
七大疾病に罹患した場合の経済的リスク
では、そもそも七大疾病にかかってしまった場合にどのような経済的リスクがあるのでしょうか?
七大疾病(特に三大疾病)に罹患してしまった場合、
・治療費が高額になること
・治療が長期間にわたること
・転職や退職を余儀なくされること
が可能性として考えられます。
そうなると、高額な治療費に加えて収入減少に対しても備える必要が出てきます。
七大疾病時には家計の収支バランスが大きく崩れることも
このようなリスクに対しては、入院日数や手術に連動した保障ではなく、まとまった一時金の保障が有効です。
七大疾病に対し何の保険で備える?
医療保険・がん保険・三大疾病保険・七大疾病保険の比較
七大疾病の経済的リスクに対し、どういった保険で備えるのがいいのでしょうか。
病気に対して備えることのできる、医療保険・がん保険・三大疾病保険・七大疾病保険を比較してみましょう。
医療保険 | がん保険 | 三大疾病保険 | 七大疾病保険 | |
---|---|---|---|---|
保障の範囲 | 入院/手術を伴う ほとんどの病気/けが | がん | がん/心疾患/脳血管疾患 | 7つの生活習慣病 |
一時金の有無 | なし | あり | あり | あり |
一時金の回数 | なし | 1回 or 複数回 | 1回 | 複数回 |
*保障内容は一般的なものです
このように七大疾病保険は、7つの生活習慣病と一時金に特化した保険であることがわかります。
医療保険
医療保険であれば、入院/手術を伴うほとんどの病気やけがに対して保障があるので七大疾病に罹患したときも「入院1日あたり**万円」や「手術1回につき**万円」という給付金になります。
ただ、それだけでは、治療費が多額になった場合や、病気のために退職や転職を余儀なくされたときの収入の減少をカバーするのは難しい可能性があります。
がん保険
がん保険であれば、がんに対しては手厚い保障がありますが、それ以外の病気の保障がありません。
三大疾病保険
三大疾病保険であれば、3つの生活習慣病に対しての保障がありますが、他の4つの生活習慣病に対する保障がありません。
七大疾病保険
七大疾病保険であれば、7つの生活習慣病に対しての一時金の保障があります。
ただし、診断確定ではなく、特定の症状もしくは特定の治療・手術をすることが給付要件になっている場合、要件に該当しないと給付金を受け取ることができないケースも考えられます。
複数の保険を組み合わせることが有効
七大疾病による高額な医療費負担や収入減少などに備えるには、医療保険・がん保険・三大疾病保険・七大疾病保険を組み合わせることがより安心と言えるでしょう。
(手厚い保障になれば保険料が高くなるので、保険料とのバランスも重要です)
七大疾病保険のメリット
七大疾病保険のメリットは「7つの大きな病気に対して」「複数回の一時金を受け取れる」ということです。
所定の状態になった場合、(一般的なプランだと)100万単位のまとまった金額を受け取れるので、治療費や治療後の生活費に充当することが期待できます。
七大疾病保険のデメリット
七大疾病保険のデメリットは、「保障が7つの病気に限定される」ことでしょう。
重い病気として七大疾病には備えたいが他の病気やケガも心配という場合には、医療保険やがん保険などと組み合わせることが有効です。