【2021年版】外貨[米ドル]建て生命保険の値上げ/販売休止〜新型コロナウイルス拡大の影響〜

(最終更新日:2024年03月15日)

本記事のまとめ

新型コロナウイルスによって外貨建て生命保険(主に米ドル建て生命保険)について「円高による資産の目減り」「円高による保険料負担の低減」「運用利率の低下」の可能性があります。

新規加入検討の場合には、最新の商品情報をみて保険会社を比較すること、無理のない範囲の保険料にするなど、慎重な検討をされると良いでしょう。

 

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外貨建て生命保険とは

外貨建て生命保険は、保険料の支払いや保険料の運用、保険金・年金・解約返戻金の受け取りを、外国の通貨(外貨)で行う保険で、保険料・保険金・年金・解約返戻金が為替の影響を受けます。

外貨建て生命保険の詳細はこちら↓

外貨建て(米ドル建て)生命保険のメリットとデメリット

 

 

 

新型コロナウイルス拡大による外貨(米ドル)建て生命保険への影響とは

新型コロナウイルス拡大により、低金利の状態が続くことにより運用環境が悪化することで米ドル建て生命保険には下記の影響があります。

①<契約済みの場合>積立利率が下がる可能性

契約済みの外貨(米ドル)建て生命保険の積立利率(運用利率)が下がる可能性があります。

ただし、多くの保険会社で採用されている、積立利率を最低保証(例えば3%など)する商品であればマイナス影響を抑えることができます。

 

 

②<新規契約の場合>予定利率の引き下げ(値上げ/貯蓄性低下)、及び一部商品の販売休止

各保険会社の判断により、商品によっては

・予定利率の引き下げ(値上げ/貯蓄性低下)

・一部商品の販売休止

が行われる可能性があります。

 

ここからは、②新規契約における予定利率の引き下げ、及び一部商品の販売休止について、2020年以降の流れを詳しく解説します。

 

 

 

新型コロナウイルス拡大による外貨(米ドル)建て生命保険への影響 これまでのまとめ

2020年3月 FRBが緊急利下げ

新型コロナウイルスの拡大により、アメリカは(アメリカだけではありませんが)経済対策として利下げを行い、お金を借りやすい状態にしました。

具体的には、米連邦準備制度理事会(FRB)が2020年3月3日、政策金利を0.5%、緊急に利下げを行いました。

続いて3月15日、緊急の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開いて1.0%の大幅利下げに踏み切りました。

政策金利は0~0.25%となり、2008年の金融危機以来のゼロ金利政策となりました。

こういった動きを受け、米長期金利の指標となる10年物米国債の利回りは急落、近年1~2%で推移していましたが、初めて0%台になり、運用先としての魅力が下がっていきます。

10年物米国債の利回り

米国債10年利回り

出典:三井住友銀行「マーケット情報チャート 米国債10年(2021年03月08日終値)」

 

 

保険会社の運用環境の悪化

このような運用環境の悪化を受け、保険会社が米ドル建て生命保険で採用している「最低保証の積立利率(多くは3%)」を維持することが難しくなっていきます。

 

 

複数保険会社が外貨(米ドル)建て生命保険の値上げ/販売休止を実施

その後、複数の保険会社で外貨(米ドル)建て生命保険の値上げ(予定利率の引き下げ)や販売休止の措置が取られました。

詳しくはこちら↓

【2020年版】外貨[米ドル]建て生命保険の値上げ/販売休止〜新型コロナウイルス感染症の影響〜

 

 

2021年2月 10年物米国債の利回りが急上昇

2021年に入り、2月25日の米債券市場では、10年国債利回りが急上昇し、一時1.6%台に達しました。

10年物米国債の利回り

10年物米国債の利回り

出典:三井住友銀行「マーケット情報チャート 米国債10年(2021年03月08日終値)」

 

米長期金利は2月に入り、景気回復期待を背景に、上昇ペースが加速しつつありましたが、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、2月23日、24日の議会証言において、足元の長期金利動向に警戒感を示さなかったことから、上昇に弾みがついたものと推測されます。

出典:三井住友DSアセットマネジメント「2021年2月26日 米長期金利上昇による株安の動きについて」

 

ただ、このような状況下でも「米国市場金利は低位安定の状態が続いている」という見方をする保険会社があります。

したがって、2021年も外貨(米ドル)建て生命保険の値上げ(予定利率の引き下げ)/販売休止の動きが継続する可能性があります。

 

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2021年版 各保険会社の外貨建て生命保険 値上げ(予定利率の引き下げ)の動向

一般的に、予定利率が引き下げになると、

・保険料が上がります。(同じ保険金額を備える場合)

・解約返戻率が低下します。(貯蓄性が低くなります)

※プランによっては保険料が下がる/解約返戻率が上昇する場合もあります。

 

では具体的な料率改定(予定利率の引き下げ)の動向を見ていきましょう。

 

 

ソニー生命 契約日が2021年5月2日以降となる契約より予定利率を引き下げ

対象商品現行の予定利率改定後の予定利率
米ドル建終身保険

米ドル建生前給付終身保険(生活保障型)20

年3.00%年2.30%
米ドル建養老保険

米ドル建特殊養老保険

年2.75%年2.30%

※詳細は保険会社もしくは保険代理店へお問い合わせください。

 

 

 

2021年版 各保険会社の外貨建て生命保険 販売休止の動向

次に、外貨建て生命保険の販売停止の動向を見ていきましょう。

 

ソニー生命 契約日が2021年5月2日以降となる米ドル建平準定期保険の販売停止

<対象商品>

米ドル建平準定期保険

 

<実施時期>

契約日が2021年5月2日以降となる契約より販売停止といたします。

なお、米ドル建平準定期保険の既契約がある法人については、1年間の猶予期間を設け、契約日が2022年5月2日以降となる契約より販売停止とします。

※詳細は保険会社もしくは保険代理店へお問い合わせください。

 

 

 

まとめ

新型コロナウイルス拡大による金利低下、運用環境の悪化によって外貨建て生命保険(主に米ドル建て生命保険)について、積立利率(運用利率)の低下の可能性があります。

 

 

既に外貨(米ドル)建て生命保険を契約済みの方

積立利率(運用利率)が低下したとしても、多くの保険会社で採用されている、積立利率を最低保証(例えば3%など)する商品であればマイナス影響を抑えることができます。

基本的には短期の動きに一喜一憂することなく、長期の視点で継続されるのが良いと思います。

 

これから外貨(米ドル)建て生命保険の契約を検討の方

一部の商品で予定利率引き下げに伴う値下げや貯蓄性の低下、販売停止が実施される可能性があります。最新の商品情報をみて保険会社を比較すること、無理のない範囲の保険料にするなど、慎重な検討をされると良いでしょう。

値上げ対象の商品について、値上げ前に加入したい場合、期限までに手続きを終える必要があります。

 

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