原付バイクに自動車保険(任意保険)は必要なのか?
(最終更新日:2020年12月01日)
16歳から取得できる原付バイクの運転免許証。
正式には原動機付自転車という名称ですが一般的には「原付バイク」という愛称で、
老若男女問わず通勤や通学に広く愛用されております。
始めて取得した運転免許証が、原付バイクの運転免許証という方もいるのではないでしょうか。
原付バイクも公道を走るため、自動車と同様に対人や対物の事故リスクは抱えているものです。
原付バイクを運転される皆様は自動車保険(任意保険)に加入されておりますか?
今回は原付バイクの自動車保険(任意保険)の必要性についてご説明致します。
目次
そもそも原付バイクとは何か?
原付バイクとは原動機(いわゆるエンジン)を搭載して開発された排気量50cc以下のバイクをいいます。
50cc以下の原付バイク免許は学科試験合格で取得できます。
なお、普通自動車免許をもっていれば新たに原付バイク免許を取得しなくても運転することが可能です。
原付バイクに自動車保険(任意保険)は必要か?
原付バイクを運転するに際して自動車保険(任意保険)は必要なのでしょうか?
結論から申し上げますと「自動車保険(任意保険)は必要」です。
自賠責保険とは何か? 自賠責保険の補償範囲は?
自動車保険(任意保険)を検討する前にまずは自賠責保険についてご説明致します。
「自賠責保険」とは法律によって全ての車の所有者に加入が義務付けられている保険で、
原付バイクにも加入が義務付けられています。
万が一加入していない場合や補償期間の有効期限切れの場合などは、罰金や免許証の点数が減点などの対象となります。
自賠責保険で補償される範囲は「対人」(事故の相手側にケガをさせたり死亡させたりした場合の補償)のみに限定されており、
その補償限度額は以下の通りです。補償限度額:ケガ120万円 死亡3,000万円 後遺障害4,000万円
原付バイクにも自動車保険(任意保険)は必要な理由とは?
自賠責保険で補償される範囲が「対人」のみに限定されております。
そのため例えば「歩行者の所有物への補償(対物補償)」や「自動車を運転していた者の治療費(人身傷害など)」
「自身の自動車の修理代(車両保険)」などは自賠責保険の補償対象外となります。
また「対人」の補償金額についても、万が一の場合には最大3,000万円の補償をされますが、
歩行者に万が一のことがあった場合には高額な賠償責任となり最大3,000万円という補償限度額では不足するケースも考えられます。
以上の様な自賠責保険でも補償されない「範囲の賠償責任」や「補償金額を超える賠償責任」については
原則加害者本人が負担となります。
原付バイクであっても自動車と上記のようなリスクを抱えているため、自動車保険(任意保険)は必要と考えてよいでしょう。
自動車保険(任意保険)はどんな補償が必要なのか?
原付バイクだからといって自動車と異なる補償を持つ必要はございません。
以下のような補償とその補償金額を持った自動車保険(任意保険)に加入すると良いでしょう。
対人賠償保険
他人にケガをさせてしまったり死亡させてしまったりした時の賠償責任を補償します。
自賠責保険の対人補償の上乗せとなります。
保険金額は任意に設定できますが、過去の判例からみても高額賠償責任となる場合が多いため、
対人賠償保険の保険金額は「無制限」に設定しましょう。
対物賠償保険
他人の所有物を壊してしまった時の賠償責任を補償します。
こちらも保険金額は任意設定できますが、対人賠償保険と同様にこちらも高額賠償責任となる場合が多いため
対物賠償保険の保険金額も「無制限」に設定しましょう。
人身傷害保険
ご自身や同乗者がケガをしたり死亡したりした場合の補償です。
一般的には1名につき3,000万円から1,000万円単位で設定できます。
自動車の運転中と比較して例えば他自動車やガードレールと接触や衝突をした場合、
より大きな怪我や万が一の事になる可能性が高いため、
より十分な補償が得られるような保険金額を設定しましょう。
車両保険
ご自身の原付バイクが壊れた場合の補償です。
上記で説明をした3つの補償とは異なり設定できる保険金額は、自身で決定することができず市場販売価格を参考に決定されます。
また補償される事故の範囲や免責金額の設定により保険料が大きく変わります。
自動車保険(任意保険)の補償を持たせる2つの方法とは?
原付バイクに自動車保険(任意保険)の補償を持たせる方法をご紹介致します。
単独でバイク保険に加入する。
各損害保険会社では「バイク保険」という自動車保険(任意保険)を準備しています。
その「バイク保険」にて上記で説明をしました4つの補償の加入を検討されると良いでしょう。
(バイク保険は取り扱っていない保険会社もございます。事前に保険会社や保険代理店に問い合わせ下さい。)
単独でバイク保険に加入するべき方はこんな方。
単独でバイク保険に加入するべき方は「原付バイクを長く乗ろうと考えている方」です。
自動車保険(任意保険)にはノンフリート等級別料率制度という保険料の割増引が適用される制度がございます。
原付バイクにもノンフリート等級制度が適用されます。
1年間無事故で自動車保険(任意保険)を使用しなかった場合には等級が上がり、同一の補償であっても保険料が割引になります。
長期間無事故であるほどノンフリート等級別料率制度保険料割引率は大きくなるため、
「原付バイクを長く乗ろうと考えている方」は単独でバイク保険に加入することをお勧め致します。
ところで自動車保険のノンフリート等級制度って何?
ノンフリート等級別料率制度は「1~20等級」の等級区分と「無事故・事故有」の区分から構成され、
保険事故の実績に応じて保険料の割引または割増が適用されます。
自動車保険のノンフリート等級別料率制度は基本的には6等級からスタートします。
前契約は保険期間内に事故が無かった場合、新契約の等級は1等級上がります。
逆に事故があった場合には事故種類により1等級もしくは3等級下がります。
つまり6等級から始まり最も高い等級20等級になるのには最短でも14年間掛かることになります。
「ノンフリート等級別料率制度」についてはこちらの記事もご覧ください。
自動車保険(任意保険)の特約として付加する。
自身や家族が自動車保険に加入している場合には、その特約として「ファリミーバイク特約」を付加する方法もございます。
「バイク保険」と同様に「ファリミーバイク特約」でも4つの補償の加入を検討されると良いでしょう。
原付バイクで事故等が発生した場合に「ファミリーバイク特約」を使ったとしても主契約のノンフリート等級制度は
下がらないという点も大きな特徴です。
ファリミーバイク特約に加入するべき方はこんな方。
ファリミーバイク特約に加入するべき方は
「自身や家族が自動車保険に加入している方で原付バイクを短期間乗ろうと考えている方」です。
上記で原付バイクにもノンフリート等級制度が適用されることをご説明しました。
そのノンフリート等級の保険料割引の適用により「バイク保険」の保険料が「ファミリーバイク特約」より安くなるのは
一般的には「無事故で3~4年経過後」になります。
つまり補償期間が3~4年間といった短期間であれば「ファミリーバイク特約」が「バイク保険」よりも
トータルの保険料を安く抑えられる場合があります。
「自身や家族が自動車保険に加入している方で原付バイクを短期間乗ろうと考えている方」には
ファミリーバイク特約に加入することをお勧め致します。
非常使い勝手の良い原付バイク。
自賠責保険でも補償されない「範囲の賠償責任」や「補償金額を超える賠償責任」があるため
自動車保険(任意保険)の加入は必須です。
原付バイクに自動車保険(任意保険)の補償を持たせる方法には2つで、どちらで補償を持つかのポイントは「原付バイクの使用期間」です。
長期使用を検討される場合には「単独でバイク保険に加入する方法」、
短期使用を検討される場合には「自身や家族が入っている自動車保険(任意保険)の特約として付加する方法」がお勧めです。