自動車保険のノンフリート等級制度と事故有係数期間について 保険のプロが分かりやすく説明します。
(最終更新日:2020年08月04日)
自動車保険を検討していく上で気になるものが保険料。
その保険料を決める要素となるのが自動車保険の「ノンフリート等級別料率制度」と「事故有係数期間」いう制度です。
今回はその自動車保険の「ノンフリート等級別料率制度」と「事故有係数期間」についてプロが分かりやすく説明致します。
目次
自動車保険のノンフリート等級って何?
自動車保険のノンフリート等級別料率制度は「1~20等級」の等級区分と「無事故・事故有」の区分から構成され、保険事故の実績に応じて、保険料の割引または割増が適用されます。
自動車保険のノンフリート等級別料率制度は基本的には6等級からスタートします。最も高い等級になるのには最短でも14年間掛かることになります。
前契約は保険期間内に事故が無かった場合、新契約の等級は1等級上がります。
逆に事故があった場合には事故種類により1等級もしくは3等級下がります。(加えて事故件数や事故の種類により事故有係数期間も適用されます。)
この自動車保険の「ノンフリート等級別料率制度」は契約者が保険を契約している車の台数が9台以下の場合に該当します。
そのため主に所有台数が少ない個人や法人の制度といえるでしょう。
自動車保険のノンフリート等級が下がる保険事故とは?
保険事故とは「保険契約に基づき保険会社に保険金支払い責任がある事故のこと」を言います。
3種類ある事故区分をご紹介致します。
ノンフリート等級が下がる保険事故① 3等級ダウン事故
例えば「対人賠償責任に関する事故」「対物賠償責任に関する事故」「例外を除いた車両保険に関する事故」のような事故が対象となります。
また事故有係数期間は事故1件について3年が加算されます。
例えば自動車運転中に歩行者に接触した場合や電柱に自動車を追突させてしまった場合など、いわゆる一般的に交通事故と呼ばれるものが該当します。
ノンフリート等級が下がる保険事故② 1等級ダウン事故
① 3等級ダウン事故で「例外を除いた車両保険に関する事故」と紹介致しましたが、その「例外部分」がこの1等級ダウン事故です。
車両保険に関する事故のみで、その損害の原因が盗難、いたずら、台風や洪水などの場合には3等級ダウン事故では1等級ダウン事故となります。
なお事故有係数期間は事故1件について1年が加算されます。
ノンフリート等級が下がる保険事故③ ノーカウント事故
「人身傷害保険のみの事故」や「搭乗者傷害保険のみの事故」などが対象となります。
自動車のノンフリート等級制度では事故件数としては数えず、この事故による等級ダウンはありません。
また、翌年の事故有係数適用期間は加算されません。
なお事故があった場合でも保険適用せず、たとえば自費で対応した場合などには等級ダウン事はカウントされません。
そのため被害金額が小さい事の事故の場合には、その修理金額と以後の保険料の値上がりを考慮して保険適用しないことも考えてみることも良いかと思います。
自分で判断がつかない場合は、一度保険会社や保険代理店に相談してみるとよいでしょう。
自動車保険では同じノンフリート等級なのに保険料が違うは何故?事故有係数期間って何?
例えばAさんはこれまで安全運転を心がけており10等級でしたが、昨年対物事故を起こしてしまい保険適用を行いました。
そのため今年の自動車保険は3等級ダウンで7等級。
Bさんは昨年初めて自動車保険を購入(6等級)。
一年間無事事故もなく過ごせたため今年の自動車保険は1等級上がり7等級。
この場合AさんとBさんは同じ7等級ですが保険料割増引率は同じでしょうか?
結論は異なります。上記の場合ですとBさんが高い割引率となります。
なぜ違うのかというと、これまでの説明にも少し出てきた「事故有係数期間」という言葉が影響してきます。
「事故有係数期間」とは「事故有」の割増引率(係数)を適用する期間のことをいい、契約ごとに設定します。
上限は6年で下限が0年となります。
前契約に事故があった場合、3等級ダウン1件につき3年、1等級ダウン事故1件につき1年が加算されます。
無事故で1年経過するごとに事故有係数期間は1年減っていきます。
それでは同じ等級でも事故有係数がどのくらい割引率が変わるのでしょうか?
例えばある保険会社で13等級の場合、事故係数無は割引率49%に対して、事故係数有は割引率29%となります。
その差は20%ほどなります。等級によってその差は変わりますが大体15~20%くらいと考えてよいかと思います。
自動車保険の保険料を決める要素となるのが「ノンフリート等級別料率制度」と「事故有係数期間」です。
無事故を継続されるほど保険料割引率が上がります。
また同じ等級であっても「事故有係数期間」によって保険料割引率は変わります。
損害額が小さな事故の場合には保険を適用しない判断も検討してもよいかと思います。