共働き夫婦の住宅ローン、ペアローン/連帯債務/連帯保証の違いとは?
(最終更新日:2019年12月18日)
共働き夫婦の住宅購入の場合、夫婦二人分の収入を基にローンを組むことで、夫だけ、もしくは妻だけの単独名義での住宅ローンよりも大きな金額を借りることができ、より高額の住宅を購入することも可能です。
夫婦二人分の収入を基にローンを組む場合、3つのやり方があることをご存知ですか?
本記事では、共働き夫婦が住宅ローンを組む時のペアローン、連帯債務、連帯保証の特徴と違いについてお伝えします。
共働き夫婦の住宅ローン
夫婦ともに収入がある場合、住宅ローンの借り方には
(1)夫だけ、妻だけの単独名義で借りる
(2)ペアローン
(3)連帯債務
(4)連帯保証
の4パターンがあります。
(1)夫だけ、妻だけの単独名義で借りる 場合に比べ、(2)ペアローン、(3)連帯債務、(4)連帯保証 の場合には、夫婦二人分の収入を基にローンを組むことになるので、より大きな住宅ローンを組むことができます。
ペアローン
ペアローンとは、夫婦がそれぞれに借りる住宅ローンのことです。
それぞれの収入に応じた金額の融資を受けることができ、金利タイプや返済期間を個別に決めることができます。
連帯債務
連帯債務は夫婦の収入を合算して融資を受け、夫婦どちらかが主債務者、もう一方が連帯債務者になります。
連帯債務の場合、連帯債務者は主債務者と同等の返済義務を持つため、住宅ローンを支払っていると見なされ、連帯債務の割合に応じて住宅ローン控除の適用を受けることができます。
また、連帯債務者はお金を借りた主債務者と同じ立場ですから、いつでも、住宅ローンの全額を借入先から返済請求される可能性があります。
連帯保証
連帯保証は、夫婦の収入を合算して融資を受け、夫婦どちらかが主債務者、もう一方が連帯保証人になります。
連帯保証人は債務者ではないため、住宅ローン控除の対象外となります。
また、主債務者の支払いが滞るまで返済を請求されることはありません。
ペアローン、連帯債務、連帯保証の違い
ペアローン・連帯債務・連帯保証
ペアローン | 連帯債務 | 連帯保証 | |
---|---|---|---|
仕組み | 夫と妻が別々に住宅ローンを借りる | 夫婦の収入を合算して1本の住宅ローンを借りる | |
主債務者と同じように債務を負う | 主債務者と連帯して債務を保証する | ||
主債務者 | 夫と妻 | どちらか1人 | |
事務手数料 | 2本分 | 1本分 | |
住宅ローン控除 | 借入額や持分割合に応じて夫も妻も控除を受けられる | 主債務者のみ | |
保険(団信) | 夫と妻がそれぞれ団信に加入 | 主債務者のみが団信に加入 | |
借り換え時の審査 | 夫と妻がそれぞれ審査に通る必要がある | 主債務者のみが審査に通ればOK |
連帯債務・連帯保証の場合、生命保険も検討
ペアローンの場合、夫婦それぞれが団信に加入しますから、夫婦どちらかに万一のことがあっても、亡くなった方の借りていた住宅ローンは清算されます。残された方の住宅ローンは残りますが、残された方の収入で支払っていける可能性があります。
一方、連帯債務・連帯保証の場合、団信は主債務者のみが加入します。
主債務者に万が一のことあった場合は住宅ローンが清算されますが、連帯債務者や連帯保証人に万が一のことあった場合、住宅ローンは清算されません。
主債務者は夫婦2人分の収入に応じて借りた住宅ローンを支払い続ける必要があるのです。
連帯債務者や連帯保証人になる方は、生命保険などでリスクに備えておいた方がいいでしょう。
将来を見据え無理のない借入額を
夫婦の収入を合算して住宅ローンを組む場合、借入額はついつい大きくなってしまいます。住宅購入時には共働きで返済が可能でも、将来子どもが生まれても妻は今の仕事を続けるのか、等を考えて無理のない借入額を設定しましょう。