定年後の継続雇用(再雇用・勤務延長)の場合、賃金はどうなる?
(最終更新日:2019年12月18日)
日本人の平均寿命は80歳超という中、国民年金(老齢基礎年金)は原則65歳にならないと受け取れません。
ですから、定年を迎える60歳から年金を受け取れる65歳までの5年間の生活費のことを今から考えておく必要があります。
選択肢の一つとして継続雇用(再雇用・勤務延長)というものがありますが、継続雇用で働く人はどのくらいの割合なのでしょうか?
また、その場合、賃金はどうなるのでしょうか?
日本人の平均寿命は80歳超
厚生労働省によると、日本人の平均寿命は下記の通りとなっています。
男性:80.79歳
女性:87.05歳
(出典)厚生労働省「平成27年簡易生命表の概況」
また、下記のグラフは内閣府が公開している平均寿命の推移と今後の予測です。
2050年には女性の平均寿命が90歳を超えると見込まれており、まさに「人生100年時代」が目前に迫っていると言えるでしょう。
平均寿命の推移と将来推計
(出典)1950年及び2011年 厚生労働省「簡易生命表」
1960年から2010年 厚生労働省「完全生命表」
2020年以降 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」
年金の受給開始は原則65歳から
一方、国民年金(老齢基礎年金)は原則65歳にならないと受け取れません。定年を迎える60歳から年金を受け取れる65歳までの5年間の生活費のことを今から考えておく必要があります。
貯蓄や退職金でカバーする方法もありますが、上記のように、年金受給開始後の人生も長いので、65歳までの期間で貯蓄や退職金などを大きく取り崩してしまうのは不安です。
サラリーマンの場合、勤務先に継続雇用制度がある場合は勤務を続け、給与を得ることができます。
では、継続雇用制度によってどのくらいの人が働いているのか、賃金はどうなるのか、詳しく見ていきましょう。
60歳以降の雇用状況
60歳以上の労働者を雇用している事業所は全体の59.4%となっています。
また、継続雇用制度がある事業所における60歳以上の労働者に占める再雇用者(退職して再雇用)の割合は56.0%、勤務延長者(退職せずに雇用を継続)の割合は19.6%となっており、継続雇用の中でも再雇用という形が多いことがわかります。
(出典)厚生労働省「平成20年 高年齢者雇用実態調査」
継続雇用になると賃金はどうなる?
継続雇用になった場合、賃金体系が変わることが多く、賃金が減ってしまうケースも多いです。
再雇用の場合、定年前の賃金よりも減少した方は77.0%にものぼります。
定年到達時との賃金比較(再雇用者)
(出典)厚生労働省「平成20年 高年齢者雇用実態調査」
勤務延長の場合、定年前の賃金よりも減少した方は26.9%となっています。
定年到達時との賃金比較(勤務延長者)
(出典)厚生労働省「平成20年 高年齢者雇用実態調査」
勤務の継続と貯蓄を考えて
長い人生を考えて、定年後の60歳~年金受給開始65歳までの期間は可能であれば働いて給与を得られるようにして、貯蓄や退職金を大きく切り崩さないようにしたいものです。
また、定年を迎える前に老後生活に向け、計画的に積み立てをしていく必要があります。方法としては預貯金や投資、個人年金保険などの方法があります。