日本人の死因第1位 がんを防ぐための12のポイント
(最終更新日:2020年03月12日)
目次
がんは日本人の死因の第1位
1981年以来、がんは日本人の死因の第1位となっています。2014 年にがんで亡くなった日本人は約37 万人で、国民の3人に1人ががんで亡くなっている計算になります。
がんは日本人の国民病の一つといっていいでしょう。
主な死因別死亡者数の年次推移
(出典)厚生労働省「平成27年 人口動態統計」
がんを防ぐための12のポイント
がんを予防するには、禁煙をはじめとした生活習慣改善が重要です。
ここでは、がんを防ぐための12のポイントを紹介します。
たばこは吸わない
他人のたばこの煙をできるだけ避ける
たばこは肺がんだけでなく、胃がん・膵臓がん・子宮頸がんなど多くのがんリスクを上げます。また、吸っている本人だけでなく、周囲にも健康被害をもたらしますので、配慮が必要です。
お酒はほどほどに
飲酒は食道がん、肝臓がん、大腸がんをはじめとしたがんのリスクを上げます。
一方で、ある程度の量であれば、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを下げる効果があることが知られています。
飲むなら、節度のある飲酒が大切です。休肝日を作ることも大切です。
バランスのとれた食生活を
摂取しすぎるとがんのリスクを上げる可能性がある食品中の成分、あるいは調理・保存の過程で生成される化学物質などがあります。
そのようなリスクを分散させるためにも、バランスのよい食事を心がけましょう。
がんのリスクを上げる可能性のある成分や化学物質
・肉や魚の焼けこげに含まれるヘテロサイクリックアミン
・ハム、ソーセージ、漬物などの保存食品に含まれるニトロソ化合物など
・輸入ナッツや穀類に混入することのあるアフラトキシンというカビ毒(食品衛生法に
より規制)
塩辛い食品は控えめに
塩分の摂取量を抑えることは、日本人で最も多い胃がん予防に有効であるのみならず、高血圧を予防し、循環器疾患のリスクの減少にもつながります。
野菜や果物は不足にならないように
野菜・果物は食道がんや胃がんなど一部のがんで予防の効果があります。
一方、赤肉(牛・豚・羊の肉など)や保存・加工肉の摂取は大腸がんのリスクを上げる可能性があるので、週に500gを超えないようにしましょう。
また、飲食物を熱い状態でとることが食道の炎症やがんを引き起こす可能性がありますので注意しましょう。
適度に運動
身体活動が高いと、がんのみならず心疾患や糖尿病のリスクも低くなることから、死亡全体のリスクも低くなることが知られています。
身体活動量を保つことは、健康で長生きするための重要な要素です。
適切な体重維持
肥満とがんとの関係は、欧米とは異なり、日本人においてはそれほど強い関連がないことが示されています。
むしろ、やせによる栄養不足は免疫力を弱めて感染症を引き起こしたり、血管を構成する壁がもろくなり、脳出血を起こしやすくしたりすることも知られています。
ウイルスや細菌の感染予防と治療
下記のウイルスや最近に感染しているとがんのリスクが高まります。
定期的に検査を受けるようにしましょう。
・肝炎ウイルス
B 型・C 型肝炎ウイルスに感染した人は、肝臓がんになりやすいといわれています。
[監修:公益財団法人 朝日生命成人病研究所]
・ヘリコバクターピロリ菌
ヘリコバクターピロリ菌は、胃がんの発生の重要な因子の一つと考えられています。特に、日本人中高年の感染率が非常に高いことがわかっています。
[監修:公益財団法人 朝日生命成人病研究所]
・ヒトパピローマウイルス
ヒトパピローマウイルスは、性交経験のある女性のほとんどが一生に一度はHPV に感染することが分かっています。多くの場合、ヒトパピローマウイルスは自然に消えるといわれていますが、感染した細胞が子宮頸がんに進行する可能性があります。
定期的ながん検診
1年または2年に1回定期的に検診を受けましょう。検診は早期発見に有効で、前がん状態も発見できます。
身体の異常に気がついたら、すぐに受診
やせる、顔色が悪い、貧血がある、下血やおりものがある、咳が続く、食欲がない、などの症状に気がついたら、かかりつけ医などを受診しましょう。
正しい情報でがんを知る
科学的根拠に基づくがん情報を得て、あなたに合ったがんの予防法を身につけましょう。
(出典)がん研究振興財団 がんを防ぐための新12か条
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