女性特有の病気とは?患者数や平均入院日数ってどれくらい?
(最終更新日:2022年06月28日)
目次
そもそも女性特有の病気とは?
まずは「女性特有の病気」にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
異常妊娠・異常分娩
異常妊娠とは、受精卵の着床や胎児の発育に異常のある妊娠のことを指し、どの妊娠期間にでも起こりうるもので、胎児や母体に障害が起こりやすいとされています。
異常分娩とは、通常の自然分娩では出産することができず、医療行為の介入を伴う分娩のことを言います。
具体的には下記のようなケースがあり、民間の医療保険の保障の対象となります。
•重度のつわりや切迫流産、切迫早産、妊娠中毒症により入院した場合
•流産や早産で入院・手術をした場合
•帝王切開で出産した場合
•吸引分娩で出産した場合
この他にも、妊娠・出産において、健康保険が適用されるような入院・手術があった場合には、保障の対象となることがあります。
一方、いわゆる正常妊娠・正常分娩は病気では無いため、医療保険の保障の対象外となります。
乳房の病気(乳がん・乳腺症など)
乳房の病気で代表的なものが乳がんではないでしょうか。
乳がんの治療は必ずしも乳房を全摘出しなければいけないという訳ではありません。病状によって、部分的な切除ですむ場合や、放射線療法や化学療法、ホルモン療法などによる治療も可能です。
ただ、全摘出となった場合には、乳房再建を考える人もいるでしょう。2013年7月から、乳がん全摘出手術後の乳房再建に使用する人口乳房に健康保険が適用されるようになりました。これにより、患者負担が大幅に軽減することになりました。
また、前述したように、乳房再建手術を保障する医療保険やがん保険もあります。
子宮の病気
子宮筋腫や子宮内膜症、子宮頸がんや子宮体がんも女性特有の病気です。
中でも子宮筋腫は代表的な病気で、35歳以上の女性の15~30%に子宮筋腫があるといわれています。
子宮筋腫は、筋腫ができても症状が出ない場合もあります。
初期の段階だと治療をしなくてもよいケースもありますが大きくなると症状が出てきたり、他の器官に障害が出ることもあります。
卵巣・卵管の病気
卵巣嚢腫、卵巣がん、卵管炎、卵管がん、卵管性不妊症などです。
卵巣嚢腫や卵管炎などは、比較的若い年代でも発症する病気ですし、卵管がんは閉経後の世代に多い病気で、卵巣・卵管も年齢にかかわらず、病気を発症するリスクがあります。
その他の病気
女性特有の病気ではないものの、女性に多い疾病として次の疾病があります。
•バセドウ病
•鉄欠乏性貧血などの貧血
•下肢の静脈瘤
•胆石症
•胆のう炎
•腎結石
•尿管結石 など
これらの病気は、医療保険によっては女性特有の病気として扱われ、通常の疾病よりも手厚い保障をされる場合があります。
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主な女性特有の病気の患者数
下記のグラフは、主な女性特有の病気の患者数を示したものです。
乳がんが192,000人、子宮筋腫が95,000人と女性特有の病気の中でも患者数が多いことがわかります。
主な女性特有の病気の患者数(概算)
(出典)厚生労働省「平成23年患者調査」
乳がんの患者数は30歳代から急増
女性特有の病気の中で最も患者数の多かった乳がんですが、何歳ぐらいから罹患のリスクが高まるのでしょうか。
下記のグラフは女性特有の主ながんの年齢ごとの総患者数を示したもので、乳がんについては30歳代から患者数が急増していることがわかります。
女性特有の主ながんの年齢ごとの総患者数
(出典)厚生労働省 平成23年患者調査
女性特有の病気の平均入院日数
次に主な女性特有の病気の平均入院日数を見ていきましょう。
病気によって差はありますが、10日~20日程度の入院が必要になるといえるでしょう。
主な女性特有の病気の平均入院日数
子宮頸がん | 17.8日 |
---|---|
子宮体がん | 12.2日 |
乳がん | 11.8日 |
卵巣がん | 11.3日 |
子宮筋腫 | 8.6日 |
子宮内膜症 | 8.1日 |
(出典)厚生労働省「平成23年患者調査」
帝王切開の割合は増加傾向
妊娠・出産に伴う入院の例として帝王切開があります。
厚生労働省の「医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」によれば、分娩件数にしめる帝王切開娩出術の割合は年々増えており、平成23年では一般病院で24.1%にもなっています。
分娩件数の推移と帝王切開の割合(一般病院)
(出典)厚生労働省「医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」
※平成23年は宮城県の石巻医療圏、気仙沼医療圏及び福島県の全域を除いた数値
このように、女性には男性にはない病気や入院のリスクがあることがわかります。
女性特有の病気に手厚い女性向け医療保険
女性特有の病気や入院リスクに備える保険として、女性特有の病気に手厚い、女性向け医療保険も発売されています
商品によって異なりますが、主な特徴としては下記のようなものがあります。
(1)女性特有の病気による入院の場合、入院給付金が上乗せで支給される
(2)女性特有の病気による手術の場合、手術給付金が上乗せで支給される
(3)乳房再建費用が保障される
ただ、女性向け医療保険は女性特有の病気には手厚い保障がある分、一般的な医療保険よりも保険料が割高になります。
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