子宮筋腫とはどんな病気?(基礎知識の徹底解説)
(最終更新日:2019年12月18日)
厚生労働省の調査によると、40代女性の4人に1人が子宮筋腫を持っていると言われています。
子宮筋腫は良性の腫瘍で、悪性腫瘍に変化することは稀ですが、症状の深刻度や治療期間も人それぞれに異なります。
また、不妊の原因になることもあり、多くの女性が悩まれている疾患の1つです。
1.子宮筋腫とは?
子宮の筋肉から発生した腫瘍で、カプセルに包まれたような形をしています。ほとんどのケースは良性疾患ですので命に別状はありませんが、安心してはいけません。
症状によっては、激痛により救急車で運ばれる方もおられるようですし、中長期的には心臓など、ほかの臓器に負担が掛かることにより、臓器の機能低下・免疫力の低下が発生する可能性もあるようです。
また、不妊の原因になることもあり、ごく稀に悪性腫瘍の一種である「子宮肉腫」が見つかることもあるのです。
2.子宮筋腫の原因は?
はっきりした原因は分かっていませんが、一つだけ分かっているのは、女性ホルモン、特にエストロゲン(卵胞ホルモン)の影響で子宮筋腫が大きくなることです。
30代後半から40代になると、子宮頸がん検診等で見つかるケースが増えることもあり、40代女性の4人に1人が持っている疾患と言われています。
3.子宮筋腫の初期症状は?
一般的な症状で多いのは、月経期間が長くなったり、月経出血量が多くなったり、不正性器出血が頻繁に起きたりするほか、月経時に強い月経痛が起きたりするようです。
また、子宮筋腫が大きくなると、周囲を圧迫するので、おしっこが非常に近くなります。少しでも不安に感じたら、早めの受診をお勧めいたします。
4.子宮筋腫の治療方法は?
子宮筋腫の治療方法は、「手術をする方法」と「薬物療法」の二つがあります。
まず、「薬物療法」についてですが、子宮筋腫がそれほど大きくなく症状も強くない場合、痛みがあれば鎮痛剤、貧血であれば増血剤などで治療するケースが多いようです。
このような対処療法で不十分な場合には、ホルモン療法を行うケースもあるようですが、副作用を考慮し、治療期間は6ヵ月が限度となる等のデメリットもあります。
次に、「手術をする方法」ですが、以下のケースの場合に手術となるケースが多いようです。
・筋腫によって子宮の大きさが超手拳大(握りこぶしを超える大きさ)のとき
・子宮筋腫が大きくなくても症状が強いとき
・子宮筋腫以外に原因の見当たらない不妊症があり、出産を希望されているとき
また、開腹を伴う手術には大きく分けて、子宮を全て摘出する根治手術である「子宮全摘手術」と、子宮を温存しながら筋腫だけを切り取る「子宮筋腫核出手術」があります。
以前は「子宮全摘手術」が大半となっていたようですが、子宮を残したいという希望も多いこともあり、「子宮筋腫核出手術」を選択されるケースが増えているようです。
その他、開腹しない手術法として、腹腔鏡手術があります。腹腔鏡手術はお腹を切らずに穴を開け、筋腫を取り出す方法です。筋腫の大きさや医師の技術的なレベルなどの条件が整うことが必要で、どこででもできる手術ではありませんが、腹腔鏡手術は開腹手術に比べると身体の負担は軽くなるので、手術件数は近年増加しています。
さらに、開腹しない手術法として子宮鏡手術があります。子宮鏡手術は膣から器具を入れ、子宮内膜に突出した部分の筋腫だけを切り取ります。
但し、子宮鏡手術は治療可能な筋腫の大きさや場所が限られるため、誰もが受けられる治療ではありません。
また、筋腫の一部しか切り取れないことが多く再発しやすいというデメリットがあるようです。
5.子宮筋腫の治療費用は?
健康保険(3割負担)を活用した場合、「子宮全摘手術」や「子宮筋腫核出手術」は20~30万円程度、「腹腔鏡手術」や「子宮鏡手術」は15~20万円程度が相場のようです。
但し、病院によって金額は異なりますので、あくまでも目安としてお考えください。
6.まとめ
ここまで見てきたとおり、子宮筋腫は多くの女性が抱える疾患の1つです。
手術費用は生命保険を活用すれば、一時的な出費の備えは賄えますが、どちらかというと精神的なストレスやご不安・お悩みを抱えてしまう疾患とも言えます。
保険相談サロンFLPでは、女性スタッフも多く、子宮筋腫を始めとした様々な女性特有のリスクに対するご不安やお悩み等のご相談を承っています。最寄りの店舗がございましたら、是非お気軽にお立ち寄りください。