2019年消費税増税!保険/住宅/自動車へ影響は?軽減税率とは?
(最終更新日:2019年12月18日)
2019年10月、消費税が増税されます。ここでは、
・新たに導入される軽減税率の仕組み
・増税でどのくらい支出が増えるの?
・生命保険料、住宅購入、自動車購入等への影響はあるの?
といったことについて解説したいと思います。
目次
2019年10月1日、消費税は10%へ
消費税は、バブル末期の1989年に財政不安を払拭するため、税率3%でスタートしました。税率はその後、1997年に5%、2014年に8%へ引き上げられました。
そして、2019年10月1日に10%に引き上げられることになっています。
また、今回の増税では、低所得者対策として、「軽減税率制度」が導入されます。
軽減税率制度とは?
軽減税率制度とは、特定の品目の課税率を他の品目に比べて低く定めることをいいます。
軽減税率の対象品目は
・「酒類」「外食」「ケータリング・出張料理等」を除く飲料食品
・定期購読の契約をした週2回以上発行される新聞
で、税率は8%のままに据え置かれます。
税率8%と税率10%の線引きとは?
政府では、取引の場所と態様(サービスの提供有無)を明確にすることにより、軽減税率(8%)なのか標準税率(10%)なのかに分別しています。
具体的には下記の例になります。
税率8%と税率10%の線引き
8%(軽減税率) | 10%(標準税率) |
---|---|
・お米、野菜、精肉、鮮魚 ・乳製品、パン類、菓子類など | ・家畜用動物 ・観賞用の魚 |
・食用の氷 ・ミネラルウォーター | ・保冷用の氷、ドライアイス ・水道水 |
・ノンアルコールビール ・甘酒 ・みりん風調味料(アルコール1%未満) | ・酒類(みりん、料理酒も含む) |
・ハンバーガー店等の「テイクアウト」 ・寿司屋等の「お土産」 ・そば屋等の「出前」 ・学校給食 ・有料老人ホーム等での食事 | ・レストラン、フードコートでの「店内飲食」 ・ケータリング、出張料理 |
・屋台の軽食(テーブル・椅子等の飲食設備がない場合) | ・屋台等での「店内飲食」(テーブル・椅子等の飲食設備がある場合) |
・コンビニの弁当・惣菜(イートイン・コーナーで飲食する場合であっても持ち帰りの容器に入れられて販売される場合) | ・コンビニ等のイートインコーナーでの飲食を前提に提供される飲食料品(例:トレイに載せて席まで運ばれる、返却の必要がある食器に盛られた食品) |
・週2回以上発行される定期購読の新聞 | ・電子版の新聞 ・コンビニなどで販売される新聞 |
参考:国税庁ホームページ
このように、いわゆる日々の食料品の買い物であれば軽減税率が適用されると考えていいようです。ただ、その他の買い物は増税になりますので、家計の負担が増えることになります。
実際にどのくらいの負担増になるのでしょうか?
また、影響が大きいのは購入金額の大きいものです。大きな買い物の代表である「住宅」「自動車」の購入にはどのような影響があるのでしょうか?
また、月々支払っている保険料はどうなるのでしょうか?
消費税増税の影響(1)家計の支出増
2017年の総務省の「家計調査年報」によると、二人以上の世帯のうち勤労者世帯の消費支出(全国平均)は313,057円となっています。
※出典「総務省 家計調査年報(家計収支編)平成29年(2017年)I 家計収支の概況(二人以上の世帯)」
全国平均で年間約7.5万の負担増
軽減税率を考慮せず、単純計算すれば、消費税が8%→10%となり、+2%分が増税されますので、毎月の支出増分は毎月313,057円×2%=約6,261円の負担増になります。
年間に換算すると6,261円×12ヵ月=75,133円の負担増になります。
消費税増税の影響(2)生命保険等の保険料や保険金
支払う生命保険料や損害保険料は消費税の対象外
消費税が上がることで「毎月支払っている生命保険料や損害保険料も上がるの?」と疑問に思っている方もいると思います。
結論から言うと、消費増税に伴って月々支払う保険料が上がることはありません。
なぜなら、保険料にはもともと消費税がかかっていないからです。
※税法上、「生命保険料」「損害保険料」といった保険料は、非課税取引になっています。
受け取る保険金や給付金も消費税の対象外
保険会社から受け取る死亡保険金や入院給付金、はどうでしょうか?
こちらも消費税の課税対象外となります。
死亡保険金や入院給付金以外にも、保険契約を解約したときに払い戻される解約返戻金にも消費税の課税対象外となります。
※保険金等は「事業の対価として受け取るもの」ではないため、「非課税」ではなく「不課税」となります。
消費税増税の影響(3)住宅購入の場合
注文住宅の場合
①住宅の引き渡しが2019年9月30日までに完了すれば、消費税は8%となります。引き渡しが2019年10月1日以降の場合は消費税が10%となります。
②注文住宅の場合に限り、請負契約が2019年3月31日までに完了していれば、引き渡し時期に関わらず消費税は8%となります。
※請負契約:工事請負契約。建築工事の完成とその報酬の支払いに関し、建築主と工事請負業者との間で取り交わされる契約。
分譲住宅・分譲マンションの場合
住宅の引き渡しが2019年9月30日までに完了すれば、消費税は8%となります。引き渡しが2019年10月1日以降の場合は消費税が10%となります。売買契約のタイミングは 消費税率に影響しません。
※売買契約:売主が特定の財産権を買主に移転することを約束し,他方,買主は売主に対して代金を支払うことを約束することによって効力を生じる契約。
中古住宅の場合
①個人間の売買の場合:消費税はかかりません。
②個人間の場合でも不動産業者などによる仲介があった場合: 仲介手数料に消費税が掛かります。一般的には売買契約を2019年9月30日までに完了すれば消費税は8%となります。売買契約が2019年10月1日以降の場合は消費税が10%となります。
③売主が不動産業者などの法人の場合:引き渡しが2019年9月30日までに完了すれば消費税は8%となります。引き渡しが2019年10月1日以降の場合は消費税が10%となります。
消費税増税の影響(4)自動車購入の場合
新車も中古車も同じで、納車(購入した車が陸運局に登録されてナンバーが発行された日)が2019年9月30日までに完了すれば、消費税は8%となります。
納車が2019年10月1日以降の場合は消費税が10%となります。
契約した日ではなく、納車(陸運局登録)された日なので注意が必要です。
前回、2014年4月1日の消費税増税時(5%→8%)は、新車の人気車種は納車まで3ヶ月待ちということもありました。
自動車の購入を検討されている方は早めの情報収集が大事ですね。
消費増税が間接的に生命保険料や損害保険料に影響する?
保険の話に戻りますが・・・保険料は非課税取引になりますので、消費増税に伴って増額することはありません。
では安心かというと、そうとも言い切れません。
確かに保険料自体に課税はされていませんが、保険会社が払っている経費には消費税がかかっています。
入ってくる保険料収入には課税されませんが、出て行く経費には課税されている、ということです。
従って、今後保険料を値上げする可能性がないとは言えません。
2014年の消費増税の際には自動車保険は値上げされた
2014年の消費税増税の際には、多くの自動車保険の保険料が値上げされました。当然、自動車保険の保険料も非課税です。
自動車保険の場合、保険金として自動車の修理代を支払ったり、事故によりケガをした被害者の交通費を支払ったりしますが、それらの費用が課税対象になっています。
前述の通り、「入ってくる保険料収入には課税されませんが、出て行く経費には課税されている」という現象が起こったため、保険会社の費用が増大し、自動車保険の保険料の値上げにつながったと考えられます。
保険見直しは必要?
このように、消費税が上がることで家計の負担が増えることになります。
消費増税で保険料が上がることはありませんが、これを機会に一度確認しておきたいのが家計の中の固定費のひとつ、保険です。
あなた毎月いくらの保険料を払っていますか?毎月一定額を支払っている保険料、しばらく見直していない場合には一度確認する価値はあります。
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