公的介護保険制度(2) 被保険者は何歳から?保険適用の条件とは?
(最終更新日:2020年03月26日)
民間の介護保険商品を検討するうえで、必ず知っておきたい「公的介護保険制度」の対象者がどのようなひとになるのか紹介します。
目次
公的介護保険制度とは
公的介護保険は、高齢者に介護が必要になったとしても、住み慣れた地域や家庭で自分らしく生活できるよう、また、介護をしている家族の負担が軽減されるよう、国民で保険料を出し合って社会全体で介護を支え合う仕組みとして2000年4月に作られた社会保険制度で、市町村が運営主体となっています。
公的介護保険制度では、市区町村に申請して、要介護者、要支援者であることの認定を受けると介護サービスを利用した場合、原則として1割の自己負担で介護サービスが利用できます。
公的介護保険の対象となる人
公的介護保険は、40歳以上の人が加入者(被保険者)になって保険料を支払い、介護が必要になったときにサービスを利用できます。
ただし、40歳以上の人でも、 国内に住所を有しない海外居住者や、在留資格または在留見込期間1年未満の短期在住の外国人などは介護保険の適用を受けることができません。
公的介護保険料の支払いは40歳から
40歳になった月(40歳の誕生日の前日のある月)から介護保険に加入すると同時に、介護保険料も支払い開始となります。
保険料は所得や被保険者数、市区町村などによって異なります。
65歳以上は第1号被保険者、40~65歳は第2号被保険者
加入者(被保険者)は年齢によって2つに分かれ、65歳以上は第1号被保険者、40~65歳は第2号被保険者となります。
第1号被保険者と第2号被保険者ではサービスを受けるための条件が異なる
第1号被保険者と第2号被保険者では、介護保険のサービスを受けるための条件が異なります。
第2号被保険者の場合には、介護が必要になった原因が特定の疾病の場合に限られます。
<第1号被保険者>
病気等の原因を問わず、介護や日常生活の支援が必要となった場合には要介護の認定を受け、介護保険のサービスを利用できます。
<第2号被保険者>
末期がん、関節リユウマチなどの加齢による16種類の「特定疾病」により介護が必要になった場合に限り、介護保険のサービスを利用できます。
16種類の特定疾病とは下記の疾病のことを言います。
- 初老期における認知症(アルツハイマー病、脳血管性痴呆、クロイツフエルト・ヤコブ病など)
- 脳血管疾患(脳出血、脳梗塞など)
- 筋萎縮性側索硬化症
- パーキンソン病関連疾患
- 脊髄小脳変性症
- 多系統萎縮症シャイ・ドレーガー症候群など
- 糖尿病の合併症(腎症、網膜症、神経障害)
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎、気管支喘息など)
- 変形性関節症(両側の膝関節症または股関節に著しい変形を伴うもの)
- 慢性関節リウマチ
- 後縦靭帯骨化症
- 脊柱管狭窄症
- 骨粗鬆症による骨折
- 早老症(ウエルナー症候群など)
- がん末期
※各種制度は2015年8月現在の内容です。
・公的介護保険は、40歳以上の人が加入者(被保険者)になって保険料を支払います。
・65歳以上の第1号被保険者であれば、要介護の認定を受けた場合、介護保険のサービスを利用できます。