大学にかかる様々な費用(受験/入学/授業料/生活費)いくらかかる?
(最終更新日:2024年05月17日)
目次
本記事のまとめ
大学にかかる費用は約460万(国公立大自宅通学)〜960万(私立大自宅外通学)と進学プランで大きな差があります。
その費用の内訳としては、授業料の他に受験料や入学金、生活費に仕送りなど様々な費用がかか、本記事ではこれらの費用が一体いくらかかるのかをご紹介します。
大学にかかる費用を事前に知り、計画的にお金の準備をしておきましょう。
教育資金準備の基本は預貯金ですが、投資や保険を組み合わせるのも有効です。
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大学にかかるトータルの費用は
大学にかかる費用(学費+生活費)は平均で約460万(国公立大自宅通学)〜960万(私立大自宅外通学)と進学プランで大きな差があります。
私立の医歯薬系の大学であればさらに大きな費用がかかる可能性があります。
子どもの教育費の中で、大学にかかる費用が最も大きく、下のグラフの通り、子どもが大学生になると、 貯蓄率はマイナスとなっています。
子ども1人世帯の平均貯蓄率
それだけ教育費の負担が大きいということであり、言い換えると、子どもが大学生になるまでにある程度の蓄えが必要ということになります。
大学受験時にかかる費用
願書購入費
私立大の場合、願書を購入する費用として1校あたり1000円前後かかる場合が多いようです。
一方、大学入学共通テストの願書・国公立大の願書は基本的には無料です。
受験料
受験料は、国公立大と私立大を比較すると国公立大が安価です。
私立大の場合、医歯薬系統の場合は高額になる場合もあります。
入試方式 | 金額のめやす |
---|---|
大学入学共通テスト※1 | 3教科以上 18,000円 2教科以下 12,000円 (成績通知を希望する場合は、プラス800円) |
国公立大・2次試験(平均) | 1校につき 約17,000円 |
私立大・一般入試(平均) | 1校につき 約10,000~約50,000円 平均35,000円 ※歯学系・医学系では40,000円~60,000円かかる場合も。 |
※1(出典)大学入試センターHP
私立大の大学入学共通テスト利用入試は、一般入試に比べて受験料が安くなる場合が多いです。
受験の際の交通費・宿泊費
遠方の大学を受験する場合、交通費や宿泊費が必要になります。
交通費 | 往復 約30,000円 (例)首都圏~関西 |
---|---|
宿泊費 | 1泊 約8,000円 |
保護者が受験についていく場合は、その分だけ費用がかかるため、第1志望大のみついていくなどの工夫をするとよいでしょう。
地方試験を活用すれば時間と費用を節約できる
優秀な受験生を全国から集めるために、「地方試験」を実施している大学・学部が多く見られます。
「地方試験」とは、大学の所在地以外の地方で受験できる試験のことです。
大学ごとに実施場所や日程が異なりますが、時間とお金を効率的に使うためにも活用したい試験です。
大学受験費用シュミレーション
例えば、
- 地元の国公立大学:1校
- 地元の私立大学:2校
- 遠方の私立大学:2校
を受験する場合を試算してみましょう。
願書代(私立大) | 1,000円×4校= 4,000円 |
---|---|
大学入学共通テスト検定料 | 18,000円×1回= 18,000円 |
受験料(国公立大) | 17,000円×1校= 17,000円 |
受験料(私立大) | 35,000円×4校= 140,000円 |
交通費(往復) | 30,000円×2回= 60,000円 |
宿泊費 | 8,000円×2回= 16,000円 |
合計 | 255,000円 |
大学の初年度納付金(いわゆる入学金)
大学別の初年度の費用(入学金や学校への寄付金など、入学時に学校に支払う費用)を見てみましょう。
大学別の初年度納付金
区分 | 国立大 | 公立大 | 私立大文系 | 私立大理系 | 私立大医歯系 |
---|---|---|---|---|---|
初年度納付金 | ¥282,000 | ¥397,721 | ¥246,749 | ¥265,595 | ¥1,036,391 |
公立大:文部科学省「平成26年度学生納付金調査」。公立大昼間部の平均額。
入学料は地域外入学者の平均額(地域内入学者の入学料の平均額は231,133円)。
私立大:文部科学省「平成25年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額調査」。私立大昼間部の平均額。
進学先によって、入学時納付金は大きく異なることがわかります。
ちなみに、専門学校の場合は、「国公立か私立か」「学ぶ内容」によって納付金が大きく異なります。
子どもの進路希望をふまえて事前に調べておくと安心です。
複数大学に合格した場合、納付金負担が大きくなる場合も
ほとんどの場合、複数の大学を受験するかと思います。
複数の大学を受験して第1志望校以外の大学に先に合格した場合、第1志望校が不合格になってしまった時に備え、初年度納付金、つまり入学金や授業料(の一部)を支払わなければならない場合があります。
その後、第1志望校に合格し、進学するなら第1志望校にも入学金を払います。
一方、最初に合格した大学の納付金(少なくとも入学金)は、他大学に進学すると戻ってこないことがほとんどです。
結果的に2校以上の入学金を払うことになるわけですが、第1志望校の合否がわからない段階で、どこかの大学には進学をしたいという場合には、やむをえない出費といえます。
大学の授業料等
在学中の授業料は、年度ごとに前期と後期に分けて支払うのが一般的です。それ以外に、施設費や実習費などが必要になることも多いようです。
区分 | 国立大 | 公立大 | 私立大文系 | 私立大理系 | 私立大医歯系 |
---|---|---|---|---|---|
授業料 | ¥535,800 | ¥537,857 | ¥742,478 | ¥1,043,212 | ¥2,764,631 |
施設設備費 | ※ | ※ | ¥160,019 | ¥187,236 | ¥863,538 |
年間合計 | ¥535,800 | ¥537,857 | ¥902,497 | ¥1,230,448 | ¥3,628,169 |
年数 | ×4年間 | ×6年間 | |||
合計 | ¥2,143,200 | ¥2,151,428 | ¥3,609,988 | ¥4,921,792 | ¥21,769,014 |
※国立大、公立大でも施設費、実習費、諸会費などを徴収される場合があります。
※医学部・歯学部系統は6年制と4年制の場合がありますが、ここでは6年間として算出しています。
(出典)
国立大:文部科学省令による標準額。ただし、国立大の法人化により、国立大の学費も大学間で差が出ています。
公立大:文部科学省「平成26年度学生納付金調査」。公立大昼間部の平均額。
私立大:文部科学省「平成25年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額調査」。私立大昼間部の平均額。
ここでは目安となる金額を挙げていますが、実際には大学や学部系統ごとに大きく異なります。
特に私立大理系の場合、入学金や授業料に加え、「施設設備費」「実験実習費」など施設使用や実験・実習に伴う費用がかかる場合が多く、私立大文系以上に入学時納付金は高くなります。
子どもの進路希望をふまえて事前に調べておくと安心です。
ちなみに、専門学校の場合は、年度ごとに一度に支払うことが多いようです。金額や納付方法は学校によって異なります。
さらに授業料以外にかかる「学費」
入学金や授業料など、大学に納める学費は、保護者にとってもイメージしやすいもの。
しかし、下記のような費用は見落としがちです。
- 教科書代
- 教材購入費
- ゼミ研修費
これらの費用も見越して準備をしておきましょう。
さらに海外留学を検討している場合には別途大きな費用がかかります。
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一人暮らしを始めるための費用
大学進学にあたり、一人暮らしを始める場合、そのための費用がかかります。
住居に関連する費用金 | 住まい探しのための交通費や宿泊費 敷金・礼金・仲介手数料、前払い分の家賃など |
---|---|
生活用品購入費 | 家具、家電、寝具、日用雑貨、衣類など |
その他 | 引越し費用、4月分の生活費など |
その出費はどれくらいになるのでしょうか。
自宅外通学を始めるための費用(1人あたりの費用)
調査結果によると、自宅外通学を始めるためにかかったアパートの敷金や、家財道具の購入費の平均額は45.1万円でした。
新生活を始めるにあたり家具や家電、日用品等を購入しますのでこういったまとまった費用が必要になります。
また、大学入学を機にパソコンを購入するパターンも増えているようです。
大学在学中の生活費
大学生活を送るための生活費も見落としてはいけません。
特に一人暮らしの場合にはおおきな費用がかかります。
住まい別 大学生の毎月の生活費
自宅 | 学生寮など | 下宿・アパート・その他 | |
---|---|---|---|
食費 | ¥8,350 | ¥18,192 | ¥21,692 |
住居・光熱費 | ・・・ | ¥23,542 | ¥39,275 |
保健衛生費 | ¥3,775 | ¥3,458 | ¥3,725 |
娯楽・し好費 | ¥11,325 | ¥10,800 | ¥12,183 |
その他の日常費 | ¥12,733 | ¥13,283 | ¥14,375 |
合計 | ¥36,183 | ¥69,275 | ¥91,250 |
(出典)日本学生支援機構「平成24年度学生生活調査」より。大学昼間部の年間平均データを12で割った額(小数点第一位を四捨五入)
家賃や食費を合わせた毎月の生活費も、自宅生と自宅外生ではかなり差が見られます。
特に自宅外でも学生寮以外のアパートなどに住む場合は、水道光熱費などもかかるため、毎月まとまった金額が必要になります。
一方、自宅生の場合は、家賃などが不要なため毎月の生活費は自宅外生に比べて低いケースが圧倒的です。ただ、自宅から遠距離通学する場合は、交通費が意外とかかることに注意しましょう。
子どもへの仕送り
生活費に関連しますが、学業に専念してほしいという想いで、子どもの生活費等の全額もしくは一部を親が仕送りしているしている、という場合がほとんどです。
不足分は子どもがアルバイトをして生活費をまかなうことになります。
自宅外通学者への年間仕送り額(自宅外通学者が1人いる世帯)
(出典)日本政策金融公庫 平成26年度 教育費負担の実態調査結果
自宅外通学の子どもへの仕送り額は平均で年間約140万円、月額約11.6万円となっています。
このように、大学進学には授業料以外にも様々な費用がかかります。
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では、教育費をどうやって準備すればいいの?
子どもが小さいうちに将来に備える
マイホームや車の購入資金であれば状況に応じて予定の変更(先延ばし)が可能ですが、子どもの教育資金はその時が来れば待ったなしです。
先ほどの「子ども1人世帯の平均貯蓄率」でみたとおり、高校に進学する時期から教育費の負担は大きくなります。
そのタイミングに合わせて収入も大きく増えれば良いのですが、そう簡単ではありません。
高校に進学する時期から支出が収入を上回り、貯蓄を切り崩す家庭も多くなります。
子どもの大学卒業までの月生活費収支と貯蓄のイメージ
ですから、上図のイメージのように、子どもが小さく、支出の少ないうちから、①計画を立て、②積み立てをする必要があります。
①教育費の計画を立てる
具体的には、子どもが生まれたら早めにファイナンシャルプランナーに相談して、教育プランに基づいて教育資金のシミュレーションをしてもらいます。
そうすると「将来いくらの教育費が必要か?」「そのために今どのくらい積み立てが必要か?」が明確になります。
②積み立てをする
積み立ての手段もファイナンシャルプランナーにアドバイスをしてもらいながら決めていきます。
教育費積立の方法といえば学資保険が思い浮かぶかもしれませんが、学資保険はあくまで補助的な手段です。
教育費準備のメインは月々の収入や預貯金です。
その上で、大学入学時の一時的に大きな出費に対して、補助的な手段として数百万の学資金を確保できる学資保険に加入するというのが一般的な方法です。
ただし、近年は学資保険の貯蓄率が低下している実態がありますので、終身保険や外貨建て生命保険、変額保険で準備する方も多いです。
また、死亡保障を十分に備えている方は保険にこだわる必要はありません。
NISAや投資信託など、元本割れリスクはありますが、積極的に増やせる可能性があります。
リスクを軽減しながらお金を増やすためには、何かひとつというのではなく、預貯金+保険+投資などという形で性格の異なる金融商品を分散して積み立てていくことが重要です。
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