医療保険の選び方11のポイント!年代別/目的別の考え方とは?

(最終更新日:2022年08月16日)

目次

医療保険とは

ここで言う医療保険は、公的な医療保障ではなく、民間の保険会社が販売している医療保険で、病気やケガで治療を目的として入院をしたり、所定の手術を受けた場合などに給付金を受け取ることができる保険です。

公的な医療保障でまかなえない医療費の自己負担額に対して備えることができます。

また、保障内容によっては病気やケガで働けなくなった際の収入減をカバーしたり、入院に必要な日用品の費用や交通費といった、医療費以外の支出の増加に備えたりすることもできます。

 

 

 

医療保険の保険料はどのくらい?

医療保険の保険料はどのくらいなのでしょうか。

試算条件 被保険者:30歳女性 保険期間:終身 入院給付金日額:10,000円/日 手術給付金あり 先進医療特約あり

でいくつか、商品をみてみましょう。

A社:2,960円/月

B社:3,655円/月

C社:4,293円/月

D社:4,739円/月

詳細の保障内容が各社異なるので単純比較はできませんし、年齢にもよりますが、保険料は月々数千円とイメージすると良いでしょう。

 

 

 

入院したらどんな費用がかかる?

医療保険で病気や入院のリスクに備えるとして、どのくらいの保障を備えればいいのでしょうか。

そのためにはまず、入院時にかかる費用を知っていきましょう。

 

 

入院した場合の費用は2種類

入院した場合の費用は下記の2種類に分けられます。

・健康保険適用となる費用

・健康保険適用外の費用

 

入院した場合の費用

入院した場合の費用

 

これら、健康保険適用となる費用+健康保険適用外の費用に対して、貯蓄や医療保険で備えることが有効です。

では、2つの費用を詳しくみていきましょう。

 

 

健康保険適用となる費用(入院・通院・手術・投薬などの費用)

入院となると入院・通院・手術・投薬などの費用がかかります。

これらの費用は公的な健康保険の保障があるので、大きな医療費がかかったとしても月額の自己負担額には上限があり、月8万円程度となります。(年齢や収入によって変わります)

 

健康保険 高額療養費制度

 

健康保険(高額療養費制度)と入院時の自己負担額<医療保険の加入検討時にチェック>

 

 

健康保険適用外の費用(差額ベッド代・先進医療技術料・食事代・消耗品費・交通費など)

一方、健康保険適用外の費用は全額自己負担となります。

主な費用は下記の通りです。

<直接的な費用>

・少人数病室/個室での入院にかかる差額ベッド代(1日当たり平均6,188円)

・先進医療技術料(高いもので数百万円)

・食事代(1食460円 1日1380円×入院日数)

・お見舞いの際の家族の交通費など

・消耗品費(入院生活に必要な日用品。パジャマ、下着、洗面用具など)

・食費(配偶者や子どもがいる場合の外食費等)

・見舞い、快気祝い、お見舞い等へのお礼の費用

・家事代行/ベビーシッターなどの費用(家事/育児を担っている方)

・介護サービスの費用(介護を担っている方)

 

<間接的な費用>

・休職/転職/退職に伴う収入減の補てん(会社勤めの方) 傷病手当金が受け取れる場合があるが不足分はカバーが必要

・事業補てん(自営業の方) 仕事ができない間に事業を継続するために代わりの人を雇う資金など

 

会社員や公務員であれば、入院が長引くと(仕事を休んで4日以上で)最長1年6ヵ月間、傷病手当金が受け取れます。ただし、受給額は普段の給与の約3分の2となります。

傷病手当金(公的医療保障)とは?給付条件や支給額

 

自営業者であれば、傷病手当金がないため、入院すると収入が途絶えてしまうというケースも考えられます。

いずれにしろ、入院が長引くほど収入が減少することになるわけです。

一方、収入が減少しても生活費はかかるため、収入の減少分を何かでカバーする必要があります。(一般的に貯蓄を取り崩して生活費を賄うことになります。)

 

入院することで様々な費用がかかるわけですが、これらの費用は病状や治療に対する考え方、家庭環境などによって大きく異なります。

「自分がもし入院したらいくらかかるか?」は、保険代理店や保険会社に試算してもらったり、相談するのが良いでしょう。

とはいえ、参考となる金額を下記にご紹介します。

 

 

 

入院時の費用、いくらかかる?

では、結局入院したときの自己負担額はいくらになるのでしょうか。

ここでは、生命保険文化センターの調査による入院時の自己負担額の平均を紹介します。

 

 

入院時の自己負担額は平均20.8万円

入院経験がある人のうち、直近の入院時の自己負担費用の平均額は20.8万円となっています。

直近の入院時の自己負担費用

直近の入院時の自己負担費用

※対象者:過去5年間に入院し、自己負担費用を支払った人(高額療養費制度を利用した人+利用しなかった人(適用外含む)
※自己負担費用:治療費・食事代・差額ベッド代に加え、交通費(見舞いに来る家族の交通費も含む)や衣類、日用品などを含む。高額療養費制度を利用した場合は利用後の金額

(出典)生命保険文化センター 令和元年度「生活保障に関する調査」

 

 

入院時の1日あたりの自己負担額は平均23,300円

自己負担費用の総額を入院日数で割った1日あたりの自己負担額は平均で23,300円となっています。

 

直近の入院時の1日あたりの自己負担費用

直近の入院時の1日あたりの自己負担費用

※対象者:過去5年間に入院し、自己負担費用を支払った人(高額療養費制度を利用した人+利用しなかった人(適用外含む)
※自己負担費用:治療費・食事代・差額ベッド代に加え、交通費(見舞いに来る家族の交通費も含む)や衣類、日用品などを含む。高額療養費制度を利用した場合は利用後の金額

(出典)生命保険文化センター 令和元年度「生活保障に関する調査」

 

 

 

医療保険は必要?

あくまでこれらの費用は平均ですが、大まかな費用感はおわかりいただけたのではないでしょうか。

「1回数十万であれば貯蓄で十分」と考える方もいるかもしれません。

一方、病気が重なり、入院が長期や複数回となるような場合や、先進医療などを利用して高額な費用がかかる場合には、貯蓄だけでは不安ということもあるでしょうから、公的保障だけでなく、民間の医療保険で保障を備えるとよいでしょう。

特に、家事/育児を担っている女性、収入がある方、自営業の方の場合には支出増や収入減に対して備えておく必要があるので、手厚い保障を備えておくとよいでしょう。

 

「じゃあ、いくらの医療保険にしたらいいの?」「自分がもし入院したらいくらかかるか?」というのは、個別事情(貯蓄・持病・価値観)で異なりますので、保険代理店や保険会社に試算してもらったり、相談するのが良いでしょう。

保険相談サロンFLPでは、入院時にかかる費用の試算に加え、医療保険を複数保険会社から無料で見積もり/相談が可能です。保険選びをスムーズに行うために、当社に相談してみてはいかがでしょうか。

 

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参考:差額ベッド代の話

差額ベッド代について、健康な時は「少人数部屋や個室は不要」と考えている方も 、いざ入院となり身体的にも精神的にもダメージを受けていると、少人数部屋や個室を望むというケースはあるようです。

 

個室を希望する理由

個室を希望する理由として

・個室であればトイレ・洗面・簡易シャワーなどの水回りが備えられている

・個室であれば自分の時間で寝たり起きたりができる

・同室の患者さんの物音、声、いびき、来客などを気にしなくて済む

・周囲に気を遣わず、治療に専念できる

・周囲に気兼ねなくお見舞い対応できる

といったものがあります。

 

また、約73%の方が差額ベッド代を負担しても「個室や少人数部屋」を希望する、というデータもあります。

 

個室や少人数部屋を希望しますか

(出典)セールス手帖社保険FPS研究所 平成26年「サラリーマン世帯生活意識調査」

 

特に、小さな子どもがいるママの場合には、周りに気兼ねなくお見舞いの時間を過ごせるので個室を選びたいと考える方は多いです。

例えば第二子の出産で入院となった場合、お見舞いに来る上の子は少しでもママとの時間を過ごしたいですよね。

そんな時に大部屋で周囲に気を遣うより、思いっきり親子の時間を過ごしてあげたいと思うのは親心ではないでしょうか。

 

 

 

医療保険の選び方

続いて、医療保険の選び方のポイントを解説します。

 

(1)保険期間(保障期間)

保険期間は大きく2種類から選びます。

 

定期型

定期型の医療保険は1年、5年、10年、60歳など、一定の期間だけ保障が受けられます。

保険期間が満了後も保障を継続したい場合には更新することもできます。

*「80歳満了」のように定められている場合は更新できない場合もあります。)

 

・保険料

基本的に月々支払う保険料は、同年齢であれば定期タイプの方が安くなります。

ただし、定期型は満期を迎え更新する時、更新時の年齢で保険料を計算しますので、更新の度に保険料が高くなります。

定期型の医療保険

 

 

・乗り換えやすさ

一定期間は安い保険料で、更新時に最新の医療保険に乗り換えるなど、乗り換えの自由度は高いと言えます。

ただし、病気になった場合には次の医療保険の加入が制限される可能性があります。

 

 

終身型

終身型の医療保険は一生涯保障が続きます。

 

・保険料

終身型の保険料は加入時から一生涯変わりません。

終身型の医療保険

 

・乗り換えやすさ

途中解約は可能ですが、定期型より保険料が高いので、最新の医療保険に乗り換えるなど、乗り換えの自由度は低いと言えます。

病気になった場合には次の医療保険の加入が制限される可能性があるのは定期型と同様です。

 

 

保障が必要な期間はいつか?

まずは「何に備えたいか」を考えると保険期間を選びやすくなります。

・妊娠、出産時期のリスクにのみ重点的に備えたい→定期型

・様々な病気やケガに対してずっと備えたい→終身型

といった具合です。

 

 

保険期間は保険料と乗り換えやすさを考慮して選択しよう

その上で、保険料や乗り換えやすさ等、バランスを見ながら選択しましょう。

特に、定期型であれば更新して保険料があがることも想定して保険料を見積もり、比較して確認しましょう。

 

 

 

(2)入院給付金日額

医療保険の入院給付金日額とは

医療保険の入院日額とは、入院した時に受け取れる一日あたりの入院給付金の金額のことです。

例えば、入院日額10,000円の医療保険(日帰り入院から保障されるもの)に加入していれば、入院日数×10,000円を受け取ることができます。

一般的には5,000円~20,000円などの範囲の中から1,000円単位で決めることができます。

受け取れる給付金は実際にかかった治療費とは関係なく受け取れますので、入院日額を決める場合には、前述した「入院したらいくらかかるか」を知ることが重要になります。

 

 

医療保険の入院給付金日額をいくらにすればいいの?

「入院したらいくらかかるか?」・・・1日あたりの自己負担額は平均で23,300円というデータを紹介しました。

ではこれを踏まえ、医療保険の入院日額をいくらにすればいいのでしょうか。

注意していただきたいのは、必ずしも医療保険の入院給付金日額は2万円にしなければならないわけではないということです。

 

というのも、全てを医療保険でカバーしようとして入院給付金日額を2万円に設定したとしたら、おそらく保険料は1万円前後となるでしょう。

これでは日々の家計を圧迫してしまう場合があるかもしれません。

保障を手厚くすればその分保険料が高くなりますのでバランスが大切です。

一定程度は預貯金でまかなうのでその分入院日額を下げるという考えが重要です。

 

統計データによる入院時の自己負担費用は参考にはなりますが、あくまで平均であり、治療費・食事代・差額ベッド代に加え、交通費(見舞いに来る家族の交通費も含む)や衣類、日用品など、非常に幅広い費用が含まれています。

人によってはそこまでかからないケースも考えられます。

 

 

入院日額給付金は10,000円/日を目安に

結論としては、医療費の自己負担額、健康保険が適用にならない費用の両方をカバーするという目的であれば、医療保険の入院日額給付金は10,000円/日を目安に検討するとよいでしょう。

 

 

日帰り入院だけでもまとまった給付金がもらえるタイプも

近年では、入院の短期化に伴い、日帰り入院でも5日分の入院給付金や一律10万円の給付金を受け取れるタイプも出てきています。

(詳細は後半の「入院一時金特約」にて解説します)

 

 

 

(3)1入院の限度日数

入院の限度日数

入院の限度日数とは1入院に対して最大何日の入院まで保障するかという限度日数のことを言います。

限度日数を越えた分は保障の対象外となります。

 

 

「1入院」とは

入院し退院後、180日以内に同じ病気を原因として再入院した場合は、前回の入院とあわせて「1入院」として扱われます。

退院後180日超経過して再入院した場合は、「新たな入院」として扱われます。

 

 

入院の限度日数の種類

現在では1入院あたり30日が限度の30日型から、1入院あたり1095日が限度の1095日型まで実に多くの種類が存在しています。

具体的には、30日型、40日型、60日型、120日型、360日型、720日型、1095日型などがあります。

では、何日型を選べばよいのでしょうか?そのためには入院日数の実態を知ることが重要になります。

 

 

傷病別にみた平均の入院日数

下記の表は傷病別の平均の入院日数をまとめたものです。

 

傷病別平均在院日数

主な傷病平均入院日数
ウィルス肝炎15.4
食道、胃及び十二指腸の疾患15.9
結腸及び直腸のがん17.5
肝及び肝内胆管のがん18.6
気管、気管支及び肺のがん21.7
心疾患(高血圧性のものを除く)21.9
胃がん22.6
肝疾患27.4
糖尿病36.1
高血圧性疾患41.2
結核65.4
脳血管疾患93.0
アルツハイマー病236.3
血管性及び詳細不明の認知症359.2
統合失調症等561.1
全体平均32.8

(出典)厚生労働省 平成23年「患者調査」

 

全体平均は30日程度となっています。

一方、日数が比較的長期になるのは「精神及び行動の障害」「神経系の疾患」「循環器系の疾患」が多く、入院日数が1年を超えるような傷病もあります。

 

 

何日型を選べばいいの?

最近の医療保険は、多くの病気が60日以内の入院で退院できるため、60日型が主流となっています。

ただ、脳血管疾患などのように、入院が長期にわたる病気もあります。長期入院に備えたいのであれば、120日や360日の商品を選ぶ必要があります。

ただ、限度日数を多くすればするほど保険料が高くなっていきますので、保険料とのバランスが大切です。

 

結論としては、60日型を基本として予算に合わせて日数を調整したり、特約を付加するのがよいでしょう。

また、最近では特定の病気に対して入院限度日数が延長される特約(特定疾病支払限度延長特約)や、限度日数が無制限になる特約(特定疾病支払限度無制限特約)もあります。

そういった特約を活用すれば、主契約の入院限度日数を短くして保険料を安くし、心配な病気に対しては入院限度日数が延長されて手厚い保障を備えることができます。

 

 

 

(4)通算支払日数

保険期間を通して受け取れる入院給付金の日数限度も設けられています。

これを「通算支払限度日数」といい、日数は730日、1000日、1095日など商品によってさまざまです。通算支払限度日数が多いほど保険料は高くなります。

 

 

 

(5)入院何日目から保障されるか

医療保険は商品によって、入院給付金の受取開始の日数が違います。

具体的には、「日帰り入院から保障」「1泊2日から保障」「5日目から保障(4日間免責)」等があります。

入院給付金の受取開始の日数が早いほど保険料は高くなります。

10年以上前の医療保険は、「5日目から保障(4日間免責)」や、10日以上の入院に限り1日目から支払うというタイプが主流でしたが、日帰り入院から保障するタイプが主流です。

近年の入院短期化の傾向から、日帰り入院が増えていますので、日帰り入院から保障されるタイプを選択すると良いでしょう。

 

 

 

(6)手術給付金

手術給付金の金額

手術給付金は手術を受けたときに受け取れる給付金で、以下の計算式で決まります。

 

手術給付金=入院給付金日額×手術給付倍率

 

手術給付倍率は医療保険によって違います。

手術給付金の金額を入院給付金日額の10・20・40倍としている保険や、一律20倍にしている保険があります。

 

 

手術給付金の対象となる手術

また、対象となる手術については、健康保険適用範囲内の「約1,000種類の手術」に対応しているか、保険会社の約款所定の「88種類」に対応しているかの大きく2つに分かれます。

「約1,000種類の手術」の方が対象手術の範囲が広く、安心度は高いでしょう。

※88種類は88分類という意味ですので、1,000種類の手術に比べ極端に数が少ないという意味ではありません。

※一部の手術については、1,000種類対応の医療保険の方が、88種類対応の保険に比べ給付倍率が低い場合があります。

 

 

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(7)保険料の払込期間

払込期間とは保険料を払う期間の事です。定期型の場合、保険期間と保険料支払期間は同じになります。

一方、終身型は生涯保険料を支払い続ける終身払いと、60歳や65歳などで保険料を支払い終える短期払いを選ぶことができます。

 

終身払いの特徴

• 短期払いに比べ1か月あたりの保険料が安くなります。毎月の保険料を抑えたい方におすすめです。

• 生きている限り保険料を支払うことになりますので、長生きすればするほど保険料の支払い総額が大きくなります。

• 継続した期間の分だけ保険料を支払うので、最新の医療保険への乗り換えが容易にできると言えます。

 

 

短期払いの特徴

• 生涯の保障分を一定期間で支払うことになりますので、終身払いより1か月あたりの保険料が高くなります。

• 払い込み終了後は保険料を払わないで保障が継続しますので、老後は保険料を支払いたくないという方におすすめです。

• 払込満了後、間もなく亡くなるといった事態になると、終身払いよりも保険料の支払い総額が高くなるというリスクもあります。

• 将来の保険料も払うということなので、終身払いより最新の医療保険への乗り換えがしにくいと言えます。「今回加入予定の医療保険にずっとお世話になるつもり」といった方に向いています。

 

 

終身払いと短期払いどちらを選べばいい?

終身払いと短期払いどちらもメリットとデメリットがあります。

長生きするかどうかはわかりませんので、予算とのバランスや将来の乗り換えの可能性を考えて選びましょう。

近年は医療事情の変化、医療保険の進化が激しく、将来の乗り換えの可能性を踏まえて終身払いにされる方が多いです。

 

 

 

(8)解約返戻金の有無(掛け捨て型/貯蓄型)

掛け捨て型と貯蓄型の2つから選びます。

掛け捨て型の医療保険の特徴

・保険料が掛け捨て

掛け捨て型の医療保険はその名の通り、解約返戻金がなく、支払った保険料が戻ってきません。

 

・貯蓄型に比べ保険料が安い

掛け捨て型の医療保険は積立の機能がないため、貯蓄型に比べ保険料が割安になります。

 

・途中解約リスクが低く、見直しが容易

掛け捨て型の医療保険は、積立の機能がなくその分保険料が安いので途中解約のリスクが小さく、保険の見直しをしやすいと言えます。

 

・選択肢の幅が広い

掛け捨て型の医療保険の方が貯蓄型よりも多くの商品が発売されています。その分選択肢の幅が広いです。

 

 

貯蓄型の医療保険の特徴

・積立ができる

貯金が苦手なので保険を活用したいという方や、掛け捨てに抵抗がある方には一つの選択肢になってくるでしょう。

生存給付金やお祝い金が受け取れるタイプもあります。

 

・掛け捨て型より保険料が高い

保険料に積立分のお金も含まれているため、同じ保障額の場合、掛け捨て型よりも保険料が高額になります。

 

・途中解約リスクが大きく、保険の見直しがしづらい

一般的に積立型の医療保険を途中解約する場合、その解約払戻金は今まで支払った保険料を下回ることがほとんどです。

保険の見直しをして解約を行うと、支払ったお金が減ってしまう場合がありますので、掛け捨て型よりも見直しがしづらいと言えるでしょう。

 

 

掛け捨て型と貯蓄型どちらを選べばいい?

医療保障を備えるだけなら、掛け捨て型の方が保険料が安くなりますので、掛け捨て型を基本として、検討するとよいでしょう。

貯蓄をしたい場合には別の商品でやる方が良いでしょう。

なぜなら医療保険は乗り換えの可能性があるので、貯蓄機能を持たせると見直しがしにくくなります。

そのうえで、「どうしても掛け捨てに抵抗がある」「数ある積立方法の中でも医療保険にセットされたものが最も自分に合っている」という場合には貯蓄型を選ぶとよいでしょう。

 

 

 

(9)その他特約

医療保険に付帯できる特約には様々な特約があります。

保険料に余裕があればつけておきたい主な特約は下記の通りです。

 

入院一時金特約

病気やけがで入院したとき、

・入院日数が5日以内の場合でも、一律5日分の入院給付金が受け取れる

・10万円や20万円といった一律の給付金を受け取れる

といった特約です。

日帰り入院や1泊2日の短期入院した場合でも、入院するときに必要なものを準備するなど、何かと出費がかさみます。

日帰り入院でもまとまった金額を受け取れるため、「病気になって費用がかかるのに入院日数が短くて給付金が十分に受け取れない」といったリスクに対して備えることができます。

 

 

先進医療特約

厚生労働大臣が認める先進医療を受けた場合、治療の内容に応じた給付金が支給される特約です。

 

厚生労働省のホームページによると、先進医療には108技術が指定されています。その中でも実施件数の多い上位の先進医療は下記の通りです。

年間実施件数の多い先進医療TOP10

順位技術名年間実施件数平均技術料
1前眼部三次元画像解析5,337約3,900円
2多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術5,248約513,000円
3陽子線治療2,170約2,580,000円
4光トポグラフィー検査を用いたうつ症状の鑑別診断補助1,959約12,000円
5重粒子線治療1,286約3,000,000円
6硬膜外自家血注入療法527約35,000円
7IL28Bの遺伝子診断によるインターフェロン治療効果の予測評価370約19,000円
8歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法321約60,000円
9腹腔鏡下子宮体がん根治手術289約525,000円
10食道アカラシア等に対する経口内視鏡的筋層切開術201約157,000円

(出典)厚生労働省 平成25年度先進医療技術の実績報告

 

このように、種類によっては数百万円の費用がかかる場合がありますが、先進医療にかかる費用は各健康保険制度の対象外のため患者が全額自己負担になります。

そこで、先進医療特約があれば、先進医療の治療費を通算1000万~2000万円まで給付されます。

それに対し月100円程度の保険料で備えられるのでつけられる方が多いです。

先進医療特約とは?<医療保険・がん保険の特約>

 

 

通院特約

入院を伴う治療を受け、退院後も同じ病気の治療のため通院した場合、その日数分に応じて通院給付金が支給されます。

入院前の通院も保障対象としている特約もあります。

 

通院給付金額は、入院給付金の3割や5割、同額が受け取れるなど保険商品によって異なります。

近年の入院の短期化、通院治療の割合が高まっていることから備えておくと安心です。

 

 

特定疾病支払限度延長特約

特定の疾病の場合のみ、限度日数が延長され入院給付金が支給されます。

例えば、「七大生活習慣病を原因とする入院をした時は、主契約で60日としていた限度日数を120日へ延長する」という内容です。

七大生活習慣病は死因の50%以上を占める、身近で重大な病気です。中でも脳血管疾患などは入院が長期になる傾向があるのでこういった特約が有効です。

三大/七大疾病(生活習慣病)は死因の50%以上。どんな保険で備える?

 

 

特定疾病支払限度無制限特約

特定疾病支払限度延長特約と似た特約です。

特定の疾病の場合のみ、限度日数が無制限に延長され入院給付金が支給されます。

例えば、「三大生活習慣病を原因とする入院の場合は限度日数を無制限に延長する」という内容です。

 

 

特定疾病保険料払込免除特約

「悪性新生物(がん)」「心疾患」「脳卒中」で所定の状態になった時、将来の保険料の払い込みが免除される特約です。

このような大きな病気に罹患してしまった場合、闘病の長期化や収入減少のリスクもあります。

そういった際に保険料を払わなくてよくなるので安心です。

 

各種特約について、詳しくはこちら↓

医療保険の特約13種類の内容を解説

 

特約を付ければ保障は充実しますが、その分保険料が上がりますので、本当に必要かどうか吟味しましょう。

 

 

 

(10)緩和型/無選択型

持病がある場合など、健康状態に不安があり、通常の医療保険に加入できない、もしくは加入するのに条件が付いてしまう場合には緩和型医療保険や、無選択型医療保険を選ぶ方法もあります。

緩和型医療保険や、無選択型医療保険は加入しやすい分保険料が割高になっています。

 

 

緩和型医療保険

緩和型医療保険とは、健康状態の告知内容を限定(3~4つの告知事項に限定)することで、持病や過去に病気をしたことのある人でも加入しやすくした医療保険です。

引受基準緩和型医療保険とは?

 

 

無選択型医療保険

無選択型医療保険は、健康状態の告知の必要がない医療保険です。

一定年齢(例えば16-70歳)であれば、入院歴・手術歴があっても加入申込が可能で、申込時に面倒な医師の診査や健康告知は不要です。

また、商品によっては加入してから1年ほど給付金が1/2になるなど、保障が一定期間削減される場合があります。

無選択型医療保険とは?

 

 

 

 

(11)女性向けの医療保険

医療保険の中には、女性特有の病気

・出産時の帝王切開

・妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)

・子宮筋腫、子宮内膜症

・子宮がん(子宮頸がん、子宮体がん)

・乳がん

・卵巣がん

などの場合には入院給付金が増額されたり、手術給付金が上乗せされたりといった手厚い保障がされる、女性向けの医療保険(女性疾病特約付きの医療保険)があります。

一般の医療保険より保障が手厚いため、保険料が割高になります。

女性保険(女性向け医療保険)の選び方!12のポイントを解説

 

 

 

参考:死亡保障(生命保険)は必要?

女性向け医療保険と別の話になりますが、性別にかかわらず、収入があり家計を支えている人は、死亡保障(生命保険)を確保しておいたほうがいいでしょう。

女性向け医療保険とは別に、収入保障保険など、掛け捨ての生命保険に加入するのが一般的です。

いくらぐらいの保障にすればいいかは、それぞれの家庭の貯蓄状況や月々の収支、家族構成、将来の資金計画(特に子どもがいる場合には教育プラン)などによって異なります。

必ず、ご自身の家庭の場合はどうなのか、シミュレーションした上で決めていきましょう。

 

 

 

比較見積もりを忘れずに

ここまでで、医療保険の保障内容がだいぶ固まってきているのではないでしょうか。

そこで忘れてはいけないのが「比較する」ことです。

医療保険に限りませんが、同様の保障内容でも保険商品や保険会社が違えば保険料が違うことはよくあります。

複数の保険会社の商品を出来るだけ同じ条件にして比較してみて、どの会社が保険料が安いのかを調べてみることをお勧めします。

ただ、自分ひとりで複数の医療保険を比較するには手間も時間もかかります。

知識が不十分であれば適切な比較ができるか不安があるかもしれません。

そのような場合には無料の保険相談サービスなどを利用してFPの方に比較してもらうのも良いでしょう。

 

保険相談サロンFLPでは、医療保険を複数保険会社から無料で見積もり/相談が可能です。保険選びをスムーズに行うために、当社に相談してみてはいかがでしょうか。

 

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年代ごとの医療保険の考え方

医療保険の最適な選び方は年代とともに変化するライフスタイルや経済状況、病気のリスクによって異なります。

ここでは年代ごとの医療保険の考え方をみてみましょう。

 

 

20代

一般的に20代のうちは病気リスクが少ないということがいえます。

また収入や貯蓄が少ない、もしくは安定していないといったケースが多いのも20代の特徴です。

病気やケガによる収入減や支出増に貯蓄で対応することが難しい場合は、それをカバーするための保障が必要です。

ですから、20代の場合には必要最低限の保障を選び、月々の保険料を抑えるのがおすすめです。

 

また、加入時の年齢が若いほど保険料が安くなりますので、病気のリスクが高まる将来を見据えて若いうちに医療保険に加入しておくという考え方もあります。

 

 

30代〜40代

30代〜40代は結婚や出産によるライフスタイルの変化が起こりやすい年代です。

女性については、女性特有の病気(子宮筋腫、子宮内膜症、子宮頸がん、卵巣のう種、バセドウ病など)は30代からリスクが高まると言われています。

 

女性特有の主ながんの年齢ごとの総患者数

(出典)厚生労働省 平成23年患者調査

 

また、配偶者や子どもがいる方が病気で入院となり、仕事ができない期間が少しでもあれば、家計に支障をきたすでしょう。

もしものときに備えて、充実した医療保険と預貯金にて準備しておきたいところです。

とはいえ、生活費や教育費など出費もかさむ時期なので、保険料が家計を圧迫しないように注意が必要です。

 

 

40代〜50代

40代以降はけが・病気のリスクが高くなる年代です。

医療費負担が重くなる可能性が高いため、保障の手厚い医療保険に入っておくことをおすすめします。

一方、経済的に余裕があり預貯金でカバーするということであれば、医療保険の保障を小さくしてもよいでしょう。

 

この年代に限ったことではないですが、「加入中の医療保険は何年前に入ってそのまま」という方も多いです。

そういう方は加入している医療保険を見直してもよい時期です。

医療保険は時代に合わせて変化します。保障内容を改めて確認し、今考えられるリスクに対応できるか?最新の医療保険でより充実した備えができないか?を確かめましょう。

 

 

 

60代

60代以降は、さらに病気のリスクが高まってきます。

一方、退職して年金が主な収入源となる人が多いですから、病気のために働けなくなることによる収入の減少に備える必要性は低くなると考えられるでしょう。

また、年金生活になると現役時代に比べ収入が低下するケースも多いですから、保険料が家計を圧迫しないように注意が必要です。

 

 

70代

70歳以降は医療費の自己負担割合が下がります(収入によります)ので、医療保険の保障を手厚くしなくてもよい可能性があります。

 

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目的別の医療保険の考え方

医療保険の加入目的は人によって違います。目的が違えば当然必要な医療保険も変わってきます。

ここでは、8つの目的別に医療保険の考え方を見ていきましょう。

 

 

保険料は安く、最低限の入院保障を確保したい

医療保険に加入したいが、保険料はできるだけ抑えたいと考える人も多いでしょう。

・入院給付金日額は5000円を目安に検討しましょう

・特約は優先度の高いものを厳選して付けましょう

・貯蓄型、お祝い金付きの医療保険は避け、掛け捨て型にしましょう

・一生涯の保障にこだわらなければ、定期型を選択することで保険料を安くできます

 

 

長期入院に備えたい

短期の入院については貯蓄などで賄えるが、長期入院に対しては保険でカバーしたい人もいるでしょう。

・特定の病気について支払限度日数が延長になる、特定疾病支払限度延長特約を検討しましょう

・もしくは、一般的な「60日型」ではなく「120日型」の医療保険を検討しましょう

・がんによる長期入院が心配な人はがん入院特約やがん保険を検討しましょう

 

 

日帰り入院など短期入院に備えたい

・入院一時金が受け取れるタイプの医療保険にしましょう

・支払限度日数は「60日型」をベースに検討しましょう

 

 

一生涯の入院保障を確保したい

・終身型の医療保険にしましょう。

 

 

がんに備えたい

・がんに備える各種特約(生活習慣病入院特約、がん特約、三大疾病特約など)を検討しましょう

・医療保険とは別にがん保険を検討するのもよいでしょう

 

 

女性特有の病気に備えたい

・女性疾病特約の付加を検討しましょう

 

 

過去加入した医療保険を見直したい

医療保険は年々進化をしていますので、新しいタイプの保障内容との比較を重点的に行いましょう

・日帰り入院から保障されるか?(以前は、入院してから5日目や10日目など、一定の期間が経過してから給付金が支払われるタイプも多かった)

・入院一時金が受け取れるか?

・先進医療がカバーされるか?

・特定の病気で入院限度日数が延長されるタイプか?

・手術給付金の対象が1000種類か?

 

 

医療保険の更新時期なので見直したい

更新型の医療保険の場合、更新時の年齢が上がるほど保険料が高くなる点に注意が必要です。

・将来の更新時の保険料を見据え、終身型の医療保険も検討しましょう

・更新は最長80歳までなど、更新できる限度がある場合も終身型の医療保険を検討しましょう

 

 

 

医療保険の加入は早い方がよい?

医療保険の検討をする中で、加入タイミングを迷う方も多いでしょう。

結論を言いますと「検討している今が入りどき。加入は早い方がよい」です。

理由は2つあります。

 

加入できなくなる可能性がある

1つ目に、加入のタイミングを待っている間に病気になってしまう可能性もゼロではなく、そうなった場合は医療保険への加入時に条件(特定の病気を保障しない/割増保険料)がついたり、加入が難しくなることもあルカらです。

 

 

総支払い保険料が安くなる

2つ目に、一生涯の保障を確保する場合には、年齢が若いうちに加入した方が保険料の総額が安くなるからです。

「加入が遅ければ、それだけ保険料を払う期間が短くなるので総支払い保険料は安くなる」と思いがちですが、そうではありません。

実は、加入時の年齢が高いほど月々の保険料が高くなるので、保険料を払う期間が短くなったとしても総支払い保険料は高くなってしまいます。

であれば、安い保険料で早めに保障を備えられた方がいいですよね。

*同じ年齢であれば加入が遅い方が総支払い保険料は安くなるなど、上記以外のケースもあります

 

 

 

 

まとめ

医療保険を選ぶときに大切なのは、保障内容と保険料のバランスです。

当然、できる限り保障を手厚くしたいものです。ただ、保障を充実させれば保険料は高くなります。

見積もりをして、保険料が高いと感じた場合には、保険期間を短くしたり、保障内容を削るなど、バランスを取りながら決めていきましょう。

「保険の種類が多く比較が面倒」「どれを選んだらいいのかわからない」といった場合には、保険代理店や保険会社などに相談することをおすすめします。

 

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