最新版 個人年金保険料控除の上限額とそのしくみとは?
(最終更新日:2024年12月04日)
目次
本記事のまとめ
個人年金保険料控除は生命保険料控除の1つで、新制度と旧制度が存在します。年末調整での申告方法を学びつつ、そもそもの個人年金保険料控除や生命保険料控除についても記載しています。
目次:
- 個人年金保険料控除とは?
└3つに分けられる生命保険料控除 - 新制度の個人年金保険料控除額を表で解説
- 個人年金保険料控除の適用条件は?
- 個人年金保険料控除の申告方法
- まとめ
個人年金保険料控除とは?
個人年金保険料控除とは1年間に払い込んだ個人年金保険の保険料額に応じて、その年の所得から一定額を控除できる生命保険料控除の1つです。
3つに分けられる生命保険料控除
[一般生命保険料控除]
死亡保険や養老保険など、基本的な生命保険が含まれます。この控除を利用することで、家族の万一の保障を確保しながら、税額を控除できます。
[介護医療保険料控除]
介護保険は、介護が必要な状態になった際の費用をカバーするものであり、医療保険は病気やけがの際の医療費を補助します。この控除により、健康に関するリスク管理をしつつ、税額を控除することができます。
[個人年金保険料控除]
契約に基づき一定の年齢に達した時から年金を受け取ることができる保険で、老後の生活資金を準備するためのものです。この控除を利用することで、将来の生活資金を積み立てつつ、現在の税額を控除できます。
新制度の個人年金保険料控除額を表で解説
個人年金保険料控除は上限が定められており、その適用される限度額は”新制度”の加入分と”旧制度”の加入分で異なっています。
【個人年金保険料控除:所得税枠 新制度】 | |
年間の払込保険料 | 控除額 |
2万円以下 | 年間払込保険料の全額 |
2万円超~4万円以下 | 年間払込保険料 × 1/2 + 1万円 |
4万円超~8万円以下 | 年間払込保険料 × 1/4 + 2万円 |
8万円超 | 一律4万円 |
【個人年金保険料控除:所得税枠 旧制度】 | |
年間の払込保険料 | 控除額 |
2万5,000円以下 | 年間払込保険料の全額 |
2万5,000円超~5万円以下 | 年間払込保険料 × 1/2 + 1万2,500円 |
5万円超~10万円以下 | 年間払込保険料 × 1/4 + 2万5,000円 |
10万円超 | 一律5万円 |
【個人年金保険料控除:住民税枠 新制度】 | |
年間の払込保険料 | 控除額 |
1万2,000円以下 | 年間払込保険料の全額 |
1万2,000円超~3万2,000円以下 | 年間払込保険料 × 1/2 + 6,000円 |
3万2,000円超~5万6,000円以下 | 年間払込保険料 × 1/4 + 1万4,000円 |
5万6,000円超 | 一律2万8,000円 |
【個人年金保険料控除:住民税枠 旧制度】 | |
年間の払込保険料 | 控除額 |
1万5,000円以下 | 年間払込保険料の全額 |
1万5,000円超~4万円以下 | 年間払込保険料 × 1/2 + 7,500円 |
4万円超~7万円以下 | 年間払込保険料 × 1/4 + 1万7,500円 |
7万円超 | 一律3万5,000円 |
※新制度と旧制度両方の個人年金保険に加入している場合は控除額を合算することも可能ですが、その合算後の控除額上限は所得税が4万円、住民税が2万8,000円であることに注意が必要です。
個人年金保険料控除の適用条件は?
個人年金保険での控除には適用条件があることにも注意が必要です。条件は「個人年金保険料税制適格特約」が付加されているかどうかです。この「個人年金保険料税制適格特約」が付加されていない場合、一般生命保険料控除の対象となり個人年金保険料控除の対象にはなりません。そのため、年間払込保険料によっては、生命保険料合算控除額を満たさすことができない場合もございます。ご自身の「生命保険料控除証明書」等でご確認ください。
個人年金保険料控除の申告方法
個人年金保険控除の申告は他の生命保険料控除同様、年末調整もしくは確定申告にて行います。ここでは、年末調整での申告についてご説明いたします。
毎年12月に実施される年末調整ですが、生命保険料控除申告は「給与所得者の保険料控除申告書」に必要事項を記入し、個人年金保険料控除証明書を添付し会社に提出します。
上図の緑箇所が個人年金保険料控除に関する記載箇所です。
基本的には他の生命保険料控除と違いはございませんが、『支払開始日』という欄が追加されています。こちらの欄には、いつから個人年金の支払いが始まるのかをご記載ください。
[主な記載箇所]
- 保険会社等の名称
- 保険等の種類
- 保険期間又は年金支払いの期間
- 保険等の契約者氏名
- 保険金等の受取人の氏名
- 支払開始日
- 新旧の区分
- 本年中に支払った保険料等の金額
- 新旧の合算保険料と個人年金保険料控除額の計算
上記を記載し、最後に生命保険料控除額の合計を計算します。
まとめ
個人年金保険料控除は年末調整にて申告が行えますが、新制度か旧制度かによって控除額が異なることに注意が必要です。通常、加入している保険の販売元である保険会社より案内ハガキがご自宅に郵送されますが、生命保険料控除に関する質問や次年度に向けた保険の見直しおよび新規加入等はお客様のご契約担当者にお問い合わせください。