傷病手当金(公的医療保障)とは?給付条件や支給額

(最終更新日:2022年08月16日)

健康保険の制度の一つで、仕事ができなくなったときに受けられる保障が傷病手当金です。ここでは傷病手当金について紹介します。

傷病手当金とは

会社員の方が病気、ケガで仕事ができず収入がなくなった場合、有給を消化中は給与を受け取ることができますが、そのあとは傷病手当金と貯蓄で生活をしていくことになります。
傷病手当金とは、健康保険の制度の一つで、業務外の病気やケガのために働けないで仕事を休み、給料が支払われない場合や給料が下がった場合、最大1年6か月間手当金を受け取れる休業補償の制度です。

 

傷病手当金を受け取れる条件

次の4条件に該当する場合、傷病手当金が受け取れます。

 

ケガや病気の原因が業務外であること

労災保険の給付対象によるものは支給対象外となります。

 

仕事に就けない

仕事に就けないかどうかは、医療機関の意見や仕事内容をもとに判定されます。

 

4日以上仕事に就けなかった

仕事を休んだ日から連続して3日以上経過し、4日目以降の療養が対象となります。また、3日間の休業が連続していないと支払われない点に注意が必要です

 

療養中に給与の支払いがないこと

給与が支払われている場合は支給されません。これは、傷病手当金は生活の保障を目的とした制度のためです。ただし、給与が傷病手当金よりも少ない場合は差額が支給されます。

 

健康保険の適用範囲とは?項目別に解説します。

傷病手当金の支給額

傷病手当金は標準報酬月額の3分の2が支給されます。

 

支給額=標準報酬日額(標準報酬月額を30で割った額)×3分の2×支給日数

 

 

支給される期間

傷病手当金が支給される期間は、支給開始した日から最長1年6ヵ月となっています。
これは、1年6ヵ月分支給されるということではありません。
1年6ヵ月の間に復帰した期間があり、その後、再び同じ病気やケガにより仕事に就けなくなった場合は、復帰した期間も含んで1年6ヵ月と計算します。
支給開始後1年6ヵ月を超えた場合は、仕事に就くことができない場合であっても、傷病手当金は支給されません。

※1 出勤して給与支払があった期間も1年6か月に含まれます
※2 退職した場合でも要件を満たしていれば残りの期間分の傷病手当金が受け取れます

 

 

自営業者や個人事業主の方は自助努力が必要

傷病手当金の制度があるのは、「健康保険」に加入している方たち、つまり、雇用されている会社員の方等が対象となっています。 自営業や個人事業主の方たちが加入している「国民健康保険」は対象となっていません。
したがって、自営業者や個人事業主の場合、長期の入院等で仕事ができない場合等は収入が途絶えてしまうリスクがあるので民間の保険などの何らかの備えが必要となります。

まとめると

・傷病手当金とは、業務外の病気やケガのために働けないで仕事を休み、給料が支払われない場合や給料が下がった場合、最大1年6か月間手当金を受け取れる休業補償の制度です。
・自営業者や個人事業主の場合、傷病手当金がなく、長期の入院等で仕事ができない場合等は収入が途絶えてしまうリスクがあるので民間の保険などの何らかの備えが必要となります。

この記事のURLとタイトルをコピーする

記事カテゴリ一覧